こんにちは、日本知育玩具協会・知育玩具マイスター/認定講師の船越智子です。

今日は、メモリーゲームについて書きたいと思います。

 

メモリーゲームとは

ランダムに広げられた裏返しのカード群から、記憶を頼りに2枚同じカード(絵であったりマークであったり)を表に返すことができたらカードを獲得する、という遊びです。日本では一般的にトランプを使って、「神経衰弱」という名前でよく知られている遊びかと思います。

 

子どもに合ったメモリーゲームとは

メモリーゲームは、「絵柄を合わせるものをわざわざ買わなくても、トランプでやればよいのでは…」と、購入されることをためらう方がとても多いもののひとつです。

 

しかしながら、子どもに与えたいメモリーゲームは「いろいろな遊び方に挑戦しながら、観察力、記憶力、集中力、洞察力、言語力を育てることができるカードを用いる」のが鉄則です。色や数字などの単体の要素合わせではなく、「様々な語句で説明しないと、正確な図柄を把握することが難しい」絵柄を合わせる遊びであることが大切です。

一例としては、このようなカードを使います。

 

上の写真は、ドイツ・ラベンスバーガー社の 「キンダーメモリー」 です。子どもの生活や絵本の世界の中でお馴染みの生き物や植物など、様々なものが温かみのある絵で描かれています。

 

同じく、ドイツ・ラベンスバーガー社の 「テディメモリー」 なんかもよいです。こちらはタイトルの通り、絵柄は”熊”しかありません。でも様々な各々の熊のカードが特徴を持っているので、それらの特徴を捉えながら記憶して遊ぶのです。

 

なぜこういった絵のカードをわざわざ用いることが、子どもにとっては大切なのでしょうか。

 

言語の介在が、子どもを育てる

似たような色目や絵柄のものがいくつかあるカードでは、必然的に、描かれたものを脳で正しく捉える必要があります。そこには、通常、言語が介在します。

 

こちらのカードでは、「虫が食べているりんご」と「虫食いのないりんご」といったような似たような絵柄のカードが幾種類かあります。それぞれの絵は「虫が食べているりんご」と「虫食いのないりんご」といった描かれたものを語句に置き換えてとらえる、つまり、『イメージの言語化』を行うから、区別ができるのです。

 

この『イメージの言語化』は、観察力、記憶力、集中力、洞察力、言語力…といろいろな力が作用しあってできることです。これを遊びながら自然と繰り返すことで、子どもの発達を促していきます。子どもにとって身近なテーマがふんだんに描かれているカードであればなお、子どもの言語力を容易に、豊かに、育てていけることでしょう。子どもにとってのメモリーゲームでは、実はこの『イメージの言語化」が一番欠かせない要素なのです。トランプで神経衰弱をするのとの、決定的な違いともいえます。

 

言語の介在するメモリーゲームを遊んでいくと

子どもは意識せずとも、遊びながら『イメージの言語化』を繰り返していくことで、観察力、記憶力、集中力、洞察力、言語力…などなど、自然と、様々な能力を育てていけます。

 

また、親は、子どもとともに遊びながら、子どもの様々な能力が育つにつれ、ゲームでできることが増える様子をたくさん見られるようになります。折々において、子の成長をリアルタイムで感じられることでしょう。 

 

先に紹介したメモリーゲームは、大人が絵を言葉にして伝え子どもはそれを探すという、ゲームデビューの小さな子ども向けの「ロット遊び」から、すべてのカードを裏向きにして場に広げ2枚めくり同じ絵柄ならカードを獲得するという、一般的な「メモリーゲーム遊び」まで、色々な遊び方が出来ます。3歳ぐらいから、長く、十分に楽しめますよ。家族で楽しむのにもお勧めです。

 

 

  

 

 

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