こんにちは、日本知育玩具協会・知育玩具マイスターの船越智子です。
 
先日、娘とともに「まんだら塗り絵」を楽しみました。曼荼羅にヒントを得て作られている幾何学的な模様の図案を塗っていく、という塗り絵です。
こんな感じの、丸い形ベースの幾何学模様に色を付けていきます。これは私が塗りました。
 
塗っていくときに、色目を規則的に塗ってみたらきれいになるだろうか、塗り方の方向を整えたらきれいに見えるだろうか、など、いろいろなことを自然と考えて、頭が忙しく働くのを感じました。
こちらは娘が塗ったものです。同じ図案の塗り絵でも色目によって、随分と印象が変わります。
 
「工夫したところはね、ハートの模様をつけてみたところ」と、娘が嬉しそうに話してくれました。
 
そして、とてもたのしかったようで、「もう一つ塗りたい」と、また別の塗り絵を始めました。私も負けじと、塗ってみましたよ。
上の2つを見てみると、図案としては同じものです。でも、もともと黒く塗りつぶしてある場所があるものとないものが、それぞれ図案としてあるというわけです。これはなぜなのか?
 
この黒い塗りつぶし部分があることによって、
 
・塗る場所が少なめなので、小さい子でも最後までモチベーションを保って塗りきりやすい
・多少はみ出ても黒でカバーされ綺麗に見える
・黒い場所があることで塗り絵全体が引き締まって見え、より美しく感じる
 
等々…つまりは「黒塗りは、できあがった作品が美しくなることを保証する工夫」というわけです。
 
そしてその美しい作品を飾り、鑑賞し、「自然と、何度も取り組みたくなる」効果をも引き出すのです。
 
そしてそれを繰り返すうちに、もっともっと塗りたくなってきます。そうしたら、黒塗りの少ない図案に取り組めば良いわけです。
 
まんだら塗り絵は、何度も塗っていくうちに、一定リズムのある配色や色調のバランスといった、数学的・美術的な塗り方に自然と意識が向き、頭が働くようになってきます。そうして、優れた色彩感覚や美的感覚をも、遊びの中で自然と磨いていくことができます。これは、キャラクターの塗り絵では、磨くことは出来ない意識です。 
 
子どもが塗り終えた作品は、必ず飾ります。
 
作品を飾ってもらうということは身近な人に自らの作品が認められることになり、子どもたちの大きな自信となります。そして自身も作品を鑑賞し、今度はこうしてみよう・ああしたらどうかなどと考えて、そしてまた取り組むモチベーションへと自然と繋げていく力となっていくのです。

 

via Tomoko Funakoshi Website
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