足を怪我した猫がいた。

周りは畑で家もなく、周りに他の猫もいない。

きっと野良で、怪我してるし、夜には強風と雨との予報。

迷ったけど保護することにした。

でも猫知識0だったので、取り急ぎ段ボールに湯たんぽとタオル。

水と買ってきたエサを入れて、そこで夜を過ごしてもらった。

 

動物病院は土日でやってない。

怪我をしてても普通に動き回れるみたいで、段ボールから出てくる。

そして元気ににゃーにゃー鳴いている。

住んでるところはペット不可で、正直ひやひやしていた。

 

病院にいったとて、自分では飼えないため飼ってくれる人を探す。

片っ端から知り合いに声をかけ連絡をするも、当たり前だけどすぐOKしてくれる人はいない。

保健所にはいきたくなかったため、役所に相談したり、施設を探した。

 

飼ってくれる人が見つからない焦りもあり、もしかして保健所に行くことになるかも。

そう考え始めたとき、自分がやっていることは正しいのかが不安になった。

 

野良であれば、そのままでも生きていけたのかもしれない。

万が一、そこで亡くなったとしてもそれは自然の摂理というか、野良の運命。

でもひとりぽつんと震えていた野良と目があったとき、知らんぷりして放置するのは自分として嫌だった。

でも飼ってくれる人が中々見つからない状況に、なんで保護したんだろうという考えをしたのも事実。

上手くいかないとネガティブになる。逃げるような思考をしてしまう。

 

運よく知り合いが手を挙げてくれて、ぶじに飼い猫になれた野良。

今は幸せそうにリラックスして過ごしているみたいで、微笑ましい写真が送られてくる。

 

私がやったことは、野良にとって良かった事なのか?

人間の、私の価値観で「野良=可哀そう」と考えての行動だったけど、本当にそう?

自由に過ごす権利を奪った?危険はなくなったかもしれないけど、それが猫の幸せ?

正しさとはなんだろう。

そもそも正しさをベースに考えてること自体が違うのかな。

そんな考えがぐるぐると浮かんできた。答えはまだない。