気象庁は、西日本を中心に降り続いた今回の記録的な大雨の名称を「平成30年7月豪雨」と発表しました。

放送などではよく「西日本豪雨」とも呼ばれています。

NHKニュース(21時33分)によると、広島県では、101人が犠牲者になりました。

4年前の広島市北部の大規模な土砂災害の犠牲者(関連死も含めて77人)を上回りました。

とても悲しい現実が起きてしまいました。

 

気象災害を前に人間はとても無力だと痛感させられました。

広島県では、これまで砂防堰堤(えんてい)の建設や防災士の育成などが進められてきました。

また防災に関する講演会なども他県に比べるとかなり多く開催されており、防災に関してはかなり意識が高いと言えます。

しかし、今回はあまりに広い範囲で土砂災害や川の氾濫などが起きてしまいました。

 

大量の雨が降っても災害が起こる所と怒らない所があります。

それは地理的な条件が関わっています。

広島県は土砂災害の危険か所の数が3万を超えていて、全国で一番の多さです。

さらに県の面積の約48パーセントが花崗岩地質で、雨で水分を含むと、崩れやすい土壌なんです。

しかも県の7割が山地のため、谷の出口付近や谷すじにも宅地が広がっています。

そのような傾斜地に自宅がある人は、大雨の際には土石流などに警戒が必要なのです。

過去を振りかえると、2014年8月20日には広島市安佐北区と安佐南区で、1999年6月29日には広島市安佐南区・佐伯区、呉市などで大きな土砂災害が起きています。

災害は繰り返し起きています。

 

どうかもう一度、ハザードマップを見て、自宅が危険区域になっていないか、川の浸水区域になっていないかを確認し、大雨が降った時、何が起こり得るか、考えてみて下さい。

気が付いていないだけで危険な所に住んでいるかもしれません。

「自宅が危ない所だとは知らなかった」「避難していれば助かった」というのは後で悔やんでも悔やみきれません。

また、空振りでもいいから、命を守るために避難を早くできるようにするためには、個人の知識や行動力に加えて、「地域力を高めること」が大切だと思っています。

非常時には、みんなで声をかけあって避難し、「何もなくてよかったね」とまた自宅に帰れることができるくらい、防災力を高められることが大切なのではと考えています。

 

広島をはじめ岡山や愛媛などの被災した地域では、連日の猛暑が拍車をかけて、本当にしんどい日々が続いています。

大雨の後の猛暑はあまりに過酷です。

断水もまだ続き、家の泥を流せなかったり、停電で冷房なしで過ごしている状況を聞くと、やり切れません。

少しずつでも前に向かって進めるよう、祈っています。