宮城県を訪問させていただいた時にいただいた、被災した子供達の書いた作文集。
5年経ってやっと文章にできた気持ち、まだ向き合えないという素直な言葉もありました。
でもここに文章を書けているのは、家族が無事だった子供達だけでした。
どの文章も振り絞って書いた心の声でした。
家族を失った子供達の心の傷は、計り知れないと感じました。
目に見える復興・復旧が進んできた今、次の課題として子供達の心のケアをこれから長い目で考えなくてはと、東北3県どこに行ってもみなさん仰っていました。
義援金はもちろんですが、心に寄り添う協力が私達にできればいいなと思います。
文集に書いてあった生徒の文章の一部です。
『私の体験など、大したものではないかもしれませんが、当時子供だった私には、子供の気持ちが分かります。停電でゲームの充電ができなかったこと、テレビは大人のニュースばかりで気が重かったこと、友達と遊べなくて寂しかったこと、あんなに絶望的な夜に、ありえないくらいに星が綺麗だったこと。どれもものすごくくだらなくて、だけど、くだらないことこそが子どもの心を支えて、元気にすること。そのときの気持ちを忘れずに、自分なりの言葉と体で、子供たちに震災について伝えていきたい、と思うのです。
生きる知恵や教訓は、経験によって育まれます。苦しかったことも、悲しかったことも、私は私を支えるすべての経験を大切にして、伝えていきたいのです。』
心にささりました。
みんな子供だったのに、時間が経つと同じように感じられなくなること。
理解してもらえなくて苦しいこと。
これが正しいと押しつける事以外の手の差し伸べ方、寄り添い方を持てる大人になりたいと思いました。