野良猫の子猫は母猫からどれほどの愛情が注がれるか
ご覧になったことがありますか?
いやというほど舐め回す姿には思わず口元が緩みそうです。

一方、子猫がひとりでウロウロしているのを見た
という情報が時おり聞こえてきます。
一体どういうことなのでしょうか?

ここでは野良猫の子猫と母猫の関係について、
出産から独り立ちするまでの経緯を見ながら考察します。



◆野良猫の出産と育児、子猫時代から子離れの時まで  

        
野良の成猫メスは年に1回から多いと3回出産します。
産む頭数は3匹から5匹が平均、最高8匹という報告も有り。

出産直後の子猫たちは、母猫の乳首に吸い付いて
ひたすらおっぱいを飲んで育ちます。

母猫は横たわったお腹に子猫たちを抱えて、
順繰りに子猫をお尻まで舐めて世話するのです。

そんな育児の光景が約2週間続き、
子猫たちは次第に大きくなっていきます。

子猫は10日前後で目が開き、
3週目頃には小さな歯が見えるようになる。

それでもまだ母猫のおっぱいに吸い付いてますが、
この頃が子猫の一番かわいい時期でしょうか。

密着した母猫と子猫の愛情深い姿は見る人の心を和ませ
あたたかくしてくれます。

生後1ヶ月を越して子猫たちがチョロチョロ動き始めると
親子の居場所が狭く感じられるようになる。

母猫のエサに興味を示し、食べようとする子が現れたら、
子猫に離乳食を与える時期でしょう。



生後1ヶ月半から2ヶ月の頃、
多くの母子は離乳を迎えます。

子猫は離乳すると、自力でトイレに排泄、
母猫はもうお尻を舐めることはしません。

子離れ親離れの時期になると、
母猫も子猫も独自の行動が目立ってくる。

外で暮らす野良猫は場合によっては
早くも次の子猫を産む準備に入ります。

あれほど密着していたのに、
母猫は子猫を突き放すようになるのです。

子猫が母猫に甘えたくて付きまとっても、
母猫は赤の他人のような振る舞い。

猫の性格によって程度の差があるものの
冷たく追い払う母もいて、

野生の世界のような厳しさを感じ、
子猫がとても哀れに見える時があります。


(写真はイメージです)

◆野良猫の母子の絆は独立すると終わるのか?

外で暮らす野良猫は、
上記のように子猫が独り立ちすると
母と子の絆は終わったかのようになります。

母も子もそれぞれ次の子孫を残すことが課題となるからです。


でも不妊手術を施した野良猫はその必要がないので
親子関係が続いていくようです。

TNRした野良猫家族を観察していると、
母より大きくなった子供を愛おしそうに舐める光景を
見かけることがあります。

野良猫親子の平和な暮らしがほほえましく、
できるだけ長く続いてほしいと願ったものです。


飼い猫の親子も同じで、不妊手術していなければ
子猫が独立すると母と子は別行動になりますし、
場合によっては邪魔な同居人のよう。

でも親子どちらも不妊手術を施した後は、
子猫時代のように密着することはないですが
母子であることは認識しているようです。



2組の母子猫を飼っている近所の家で、
ひと組の子供の方が病死した時、

母猫は亡骸を入れたダンボール箱のそばにずっと佇んで
離れようとしないのです。

翌朝の火葬に出かける時まで
母猫は子供の死を悼んでいるようでした。

人間のように声を上げて泣くことはありませんが、
母親の深い悲しみを感じました。
猫とはいえ母親の愛情は深くて強いものなのです。


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