「Rock Of Ages」
すごく大雑把に言ってしまえば、ロックスターを夢見る男と女優を夢見る女のラブストーリーなのですが、そこにもうちょっといろんなエピソードを絡めながら話が展開していきます。
トム・クルーズ主演で映画化もされ、昨年には日本でも公開されてましたね。
本当は渡米前にそれを観て予習してから本物を観たかったんですが、近所のレンタルビデオ屋さんに無くて結局観られず。
そしてこのミュージカルの特徴は、ミュージカルとしてのオリジナル曲を歌うのではなくて、主に既存の80年代ロックの名曲がストーリーに絡めてどんどん演奏されるところ!(映画「ムーランルージュ」みたいなスタイルですね)
もう80年ロック好きにはたまらない作品と言えるでしょう
そういう私は80年代ロックは知らないやつは全然知らないわけなんですけども。(^ ^;;
それでも半分以上は知ってる曲で十分楽しめました![]()
バンドもステージ上で生演奏してるので、まさにほぼライブ状態です![]()
ちなみにパッと思い出せる曲だけざっと挙げると
To be with you
More than words
Here I go again
The final count down
Any way you want it
Don't stop believin'
など。
タイトルと曲が一致してないのでここに挙げられないけど「あ!知ってる!」って曲もまだまだ多数ありました。
セリフが聞き取れなくても曲さえ知ってればライブとしても確実に楽しめる作品なので、ロック好きな方はNY行ったら必見の1本と言えるでしょう。
今回主役をやられた方は「RENT」でロジャー役もやってたことがあるそうで。どっちもロック歌手の役ですからね。納得。
迫力の舞台セット![]()
劇団四季ヴァージョンも2回観ていて、それも含めると今回が4度目のWicked。
やはりセット・衣装の華やかさ、楽曲の素晴らしさ、どこをとってもハズレ要素無しで「ミュージカルらしいミュージカル」を求めるなら、この作品は鉄板と言えるでしょう。
劇団四季ヴァージョンでしっかりとストーリーのディテールも理解できたので、今回のブロードウェイ版は初めて見た時より数段楽しめました。
でもこれもブロードウェイで結構長いこと上演されているので、以前観た時よりちょっとした演出や曲のテンポとか結構変化してましたね。
曲のテンポは全体的に本来のイメージ(舞台版のサントラや四季ヴァージョンなどと比較しても)より速めになってる印象。
あと、グリンダの歌いっぷりはだいぶ茶化した歌い方になっていて(でも激ウマでした!)、最早「ポピュラー」という曲なんかは、ちゃんと歌う気ないだろって感じでした。(笑) もう多くの人がこのミュージカルのストーリーや曲を知ってるという前提の元、あえて崩して笑いを取りに行ってる感じでしたね。いや、これはこれでとても面白かったです。むしろ、あぁ舞台ってこうやって変化していくんだなというのが観られて良かったです。
そして今回、主役であるエルファバ役をやっていた女優さんがとっても素晴らしかった![]()
ちょっと顔の骨格的にゴツめのビジュアルでなんとも愛嬌があり(でも、いかにも絶対イイ声出そう!っていう骨格でした)そして本当に抜群の歌唱力でありました。
まぁエルファバ役やる人なんて漏れなく抜群の歌唱力じゃなきゃ勤まらないんですが、個人的に今まで観てきたエルファバの中でいちばん声質的にタイプな感じでした。持ってる声自体にとても魅力がありましたね。
「Once」
今回いちばん楽しみにしていた作品がコレ。
原作は映画「Once~ダブリンの街角で~」です。
アイルランドで制作された映画で、面倒なのでウィキペディアを引用すると、、、
「アイルランドの首都ダブリンを舞台に、ストリートで出会った地元の男とチェコ系移民の女が音楽を通して心を通わせていくラブストーリー。
全米では2館からの公開だったが、その後口コミで話題になり、140館まで劇場数を増やした。サウンドトラックは全米チャートで2位を獲得。」
という作品です。
なんていうか、「大人の純愛」を描いた作品ですね。
プロデビューを目指すギター&ヴォーカルの男性とピアノと歌が出来るチェコから来た子持ちの人妻との友情と恋愛感情の狭間の切なくも温かい空気感が繊細に表現されています。
映画の予告編↓
http://www.youtube.com/watch?v=726SFblz9Lk
数年前、ブロードウェイでミュージカル化されトニー賞も受賞しています。
この映画、結婚当初たまたまレンタルビデオで見つけてジャケットの雰囲気に惹かれてなんとなく借りたことがあったんですが、主役の二人が楽器屋さんでコード譜見ながら男が作ったオリジナルソングをセッションする場面があって、その場面と覚えやすい楽曲がとても印象的だったので、映画を観た直後私たち夫婦も真似してその曲をうろ覚えのまま無理矢理セッションしたという(笑)結構思い出深い映画でもありました。
しかし作品自体は地味目な印象だったので、まさかこれがミュージカル化されるとはビックリです。
確かに劇中で演奏シーンは沢山出てきますが、ミュージカル仕立ての作品ではないので、これがどう舞台化されるんだろう?という興味もあり、今回絶対観る!!と決めていた1本でした。
開演時間少し前に劇場に入ると、何やらすでにステージ上で主役以外のキャストたちの演奏(セッション的な)が始まっていました。
「え?!もう始まっちゃったの?!」と一瞬焦りましたが、多分演出の1つだったのだと思われます。
そう、このミュージカルの最大の特徴は、「キャスト自身が全ての楽曲を自ら演奏している」点でしょう。
これはなかなかレアだと思います![]()
キャスト達は歌って踊れるだけでなく、演奏だけ見てもその道で十分やっていけるのでは?というレベルの方たちばかりでした。
ちなみにこんな感じ。
http://www.youtube.com/watch?v=6ehVXwFMQqs
しかも多くのキャストが複数の楽器を場面によって掛け持ちしているという多芸っぷり![]()
いろんな才能が集まってくるアメリカではこんな舞台も出来てしまうんだな~と心底感心してしまいました。
これはちょっと日本ではまだ出来ないことなんじゃないかな…と。
舞台での楽曲はだいたい映画で使われていたものと同じでしたが、それプラス更にアイリッシュの要素を強調したアレンジの曲が加えられている感じでした。
映画の中での細かいエピソードはバッサリカットして、効率よくスピーティーに話を展開させていっていました。
しょうがないと言えばしょうがないのですが、ストーリーをグイグイ進めていくために、ヒロインのキャラの雰囲気が原作とはだいぶ違い、えらく強気で押しの強い女性になってしまってました![]()
映画でのわりと清楚なイメージが可愛かったんですけどね。
でも本当に上手に舞台作品としてアレンジしたな~という素晴らしい舞台でした![]()
観られて良かった。満足です![]()
あと、もう1つ面白い演出として、この作品は基本的に酒場の舞台セットが固定された状態で進んでいくのですが、幕間の休憩時間中はこのステージ上の酒場セットをそのまま利用して劇場スタッフがドリンク類を準備して本物の売店となり、観客は舞台上に上がってドリンクを買ったり飲んだり出来るようになっていました。
そんなわけで、チケット代は結構高くて懐的には打撃でしたが
いろんなタイプのミュージカルが堪能出来たので、そのダメージを大きく上回る満足度でした
なんと言ってもここでしか観られませんからね。
こういうところでケチってはいけない
と思います!
