そして
監督は「10年で10本作る」
そう始めたプロジェクト。
コロナ禍を挟みつつ、10本が完成(10本目は編集中)その10本を振り返り、シリーズ9作品を3日に分けて上映する会があるそうです。
この作品は、福島出身の俳優、佐藤みゆきさん(朝ドラ『おかえりモネ』、映画『真白の恋』主演など)が、聞き手となって、震災後の福島の人々の声を聴いてまわる内容です。
でも、編集されたものの視点は、何か、監督の意思や、構想があるわけではなく、観ている人が、どう捉えるのか、委ねられている内容です。
この期間に、登場する方々の変化も追っていたり、この作品で、福島へ足を運んだ人、生き方が変わった人など、様々な影響を与え続けている作品です。
ごしごし福島にも参加していて下さっていた監督のライフワークの集大成。
大手町ミライラボパレットさん、
めちゃくちゃオシャレな空間!
で無料上映だそうです!
>1回目:2023年12月5日(火)
[シリーズ1 / 2013] 13:00-15:00
[シリーズ2 / 2014] 15:00-17:00
[シリーズ3 / 2015] 17:00-19:00
>2回目:2023年12月8日(金)
[シリーズ4 / 2016] 13:00-15:00
[シリーズ5 / 2017] 15:00-17:00
[シリーズ6 / 2018] 17:00-19:00
>3回目:2023年12月14日(木)
[シリーズ7 / 2019] 13:00-15:00
[シリーズ8 / 2021] 15:00-17:00
[シリーズ9 / 2022] 17:00-19:00
〈作品紹介〉
[シリーズ1 / 2013]
タイムカプセルから取り出したみゆきさんの手紙でこのシリーズは始まります。
時間をかけて進む映画たちを象徴するような幕開けです。
お母さん方が不安と戸惑いの中で語る決意は強く胸を打ちます。
「除染」と呼んでいた作業を、多くの人は知らないのではないでしょうか。
この年だからこそ記録できた福島があります。
[シリーズ2 / 2014]
暗闇の中で、漁船の一隻が出港するシーンがあります。
放射線の影響でまだ出荷できない魚を「試験操業」として獲りに行くその様子は、
出荷がいつ可能になるのか分からない日々の中での挑戦です。
粛々と進む船団は、荘厳なものに見えました。
[シリーズ3 / 2015]
打ち上げられる花火には「鎮魂」の思いが込められています。
それを知ってから、見える景色が変わりました。
花火が開く瞬間、集まる人々の笑顔が明るく照らされます。
悔しさや悲しさを抱えた方々のお話には、
それだけで終わらない強さが溢れています。
[シリーズ4 / 2016]
2016年、避難指示が解除されたばかりの小高。
先日、この作品の映像を振り返り、現在の小高と比較する機会がありました。
町の姿が刻々と変化する以上に、町の方々の心の変化も感じました。
このシリーズが持つ「記録し続ける」という特性を、
あらためて感じることができました。
[シリーズ5 / 2017]
インタビューの中で、早川さんという女性が避難解除の現状を語ります。
「放射線量が問題ないと分かっても、人に魚や野菜をあげる時に躊躇して、
昔みたいに『どうぞ』というやり取りができない」と話していました。
嘆きと希望と、両方が見えました。
2017年の空気を表す印象に残る瞬間でした。
[シリーズ6 / 2018]
「安心」と「安全」は違う、というお母さんのメッセージがとても重く響きました。
一方で、新しい出発を感じさせるのは浪江の花農家さんです。
みんなで成長するために、全部のノウハウを提供すると宣言します。
福島の方々の力強さを感じました。
[シリーズ7 / 2019]
「人生に2つの時間軸ができてしまった」という表現が印象的です。
あの混乱のさなか、どんな気持ちで避難をしたのか。
自然な流れで「家族」や「家」がテーマになった本作。
震災後から変化するものと変わらないもの、
まさに2つの時間軸が感じられる内容です。
Golden Harvest国際映画祭で「最優秀ドキュメンタリー賞」
「最優秀長編映画賞」「最優秀監督賞」受賞。
[シリーズ8 / 2021]
2021年版では、コロナ禍での取材が難しかったため、
オンライン取材に踏み切りました。
福島の景色は語り手の皆さんに撮影していただくという
無茶振りもさせてもらいました。
2021年の映画では、アイデンティティについて深く考えさせられました。
海への愛と、政府の処理水放出計画は、今作からの重要なテーマとなりました。
Bettiah国際映画祭とNawada国際映画祭で「最優秀ドキュメンタリー賞」受賞。
[シリーズ9 / 2022]
福島からの学びが非常に多く、単なる取材内容の伝達を超えて、
この学びをお客さんの心に確実に届けたいという願いが湧きました。
2022年版は今までで一番盛りだくさんな内容で、
学校の上映でも大きな反響をいただきました。
映画の中には様々な課題が出てきます。ぜひ、ご一緒に考えていただきたいです。
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