どんよりした朝ね。


久しぶりのファスティング。
ブレイクファストです。

明けて今日は、東日本大震災発生から8年目の朝。



当時、物資が届かずに、寒くて、ひもじい思いをされた方々を思いながら、ゆっくりと大根汁を飲みました。


あの日、私は、緑山スタジオに『渡る世間は鬼ばかり』の収録の為に車で向かいました。
いつもと変わらない金曜日の朝でした。



順調に撮影をしていて、長い場面の途中にNGが出て、撮り直しの説明を「おかくら」のカウンターで受けている時、ふと見上げた照明器具が、カタカタ揺れていました。

「揺れてるよ」と強く短く言いました。

皆んなが上を見上げると、揺れが大きくなり出して、「一旦、スタジオから出ましょう!!」とスタッフさんも、出演者も、スタジオから出ました。

音を外部から遮断する為の分厚い分厚いスタジオの扉が勝手に開いたり閉まったりするのを見て、スタッフさんも驚きを隠せない状況でした。


前室、と呼ばれる、スタジオと廊下の間の溜まり場には、1メートルくらいのモニターが掛けてあり、揺れが収まった後、皆んなでニュースを見ていました。

前室にある小道具置き場に携帯を置いていた私は、裾野市でコンサートのリハーサルをしているはずの桑山にメールをしました。すぐに返信があり、震源地が富士山ではないと、ほっとしていた時に、大きな画面いっぱいに灰色の海が映りました。


初めは誰も、何のことかわからずに「あれ、あの駐車場の辺りの人、大丈夫なの?」「え?これ、どこまでいくの?」「もう海じゃないよね?」

と、口々に呟いていた言葉も、いつしか静まり、事態の大きさが、想像を遥かに超えていることに誰もが体を強張らせていました。


私達は、とりあえず、揺れが収まったら、NGの出た場面だけは撮りましょうと、前室で待機。
重たい機材が沢山あるスタジオは頑丈に出来ているからと言われたことや、皆んなの顔の見えるところに居たくて固まってモニターの前にいました。

夕方から撮影の俳優さんから、電車が止まって来られないとか、自宅の機械式の駐車場から車が出せないとか連絡が入り始め、そこからの場面は撮影中止に。やっとの思いで駆け付けた俳優さんは、着いた途端にUターン。たまたま、その俳優さんと同じマンションに住んでいた私は咄嗟に「ぶうちゃん、見てもらえますか??」と鍵を手渡して、愛犬ブリトニーの安否を頼みました。


それからしばらくして、揺れの間隔が長くなってきて撮影を再開。
途中になっていた場面を撮りました。
そして、少し早い夕飯のお弁当が配られ、機転の利く制作さんが手配していたタクシーにのりあって帰宅が始まりました。私は自分の車で4時間かけて帰りました。

緑山スタジオは、山と名前がつくだけあって高台にあり、鶴川の駅に向かって坂道です。その坂道の上から右手に向かうのですか、左手の街は神奈川方面で、停電で真っ暗。右手は灯りが見えました。

歩道には人が溢れて、寒くなってきた夜なのに一生懸命に歩いてらして、車の中で申し訳ない気分でした。
灯りのない信号機のある交差点では、混乱もなく譲り合って通行しました。
渋滞でエンジンを切っている時に、同じマンションの俳優さんから、ぶうちゃんを抱っこしている写真とともに「元気です」とメールが来て一安心。我がマンションは、エレベーターこそ止まりましたが、コップひとつ割れなかったそうです。

ガソリンスタンドの横を通った時に、混んでいて動かないから、ちょっと寄ってみようとガソリンを満タンにしたことが後々、幸いしました。


近所まで来てあと信号1つでガレージという所から30分以上かけてやっとマンションへ。階段で部屋まで上りました。


停電でお風呂も入れないよ、という神奈川の友人からのメールで、じゃあ私はお風呂にでも入ろうかな、と浴室に行くと、お風呂の蓋の上に大量の水。天井がひび割れているのか?と見上げましたが異常なし。
きっと、横揺れが大きく、中に入っていたお湯が、波のように揺れて、蓋の上にまで来たのでは?と考えました。
マンションの横揺れは、上の階に行けば行くほど大きくゆだくり揺れると聞いたとこがあります。こんな事になるんだ、と呆然としました。


それからの日々は、細かく記憶していません。
でも、今でも、長く続いた節電の町の様子や、スーパーの品物がどんどん棚からなくなっていく様子など、あの頃の空気感は、何かにつけふと蘇ります。


いつまでも引きずってはいけない。
元気でいなきゃいけない。
と、言って8年。


私でさえ、こんなにも、普段の生活で、あの頃を感じるのだから、被災地の皆さんの痛み苦しみは癒えることがないと思います。



震災直後と同じ気持ちで応援したい。


オリンピックは、復興オリンピック。



頑張ろう日本。
頑張ろう東北。


日本は絆で結ばれている。


ごしごし福島基金は、福島の皆さんに寄り添って8年目を迎えます。






ブーケ1ブーケ1ブーケ1ブーケ1ブーケ1ブーケ1ブーケ1ブーケ1ブーケ1ブーケ1ブーケ1ブーケ1ブーケ1ブーケ1ブーケ1ブーケ1ブーケ1ブーケ1ブーケ1



湘南SPECIAL LIVE 2019~あじさい~ Vol.18「桑山哲也 独奏」

■日時:
2019年6月22日(土)
開場 16:00/開演 16:30 終演 18:30
※途中15分休憩あり
※終演後Tea Time
■会場:
鎌倉 歐林洞ギャラリーサロン
■料金:
6,000円(ワイン・紅茶・お菓子付、税込)
※整理番号順入場制
■主催:
鎌倉 歐林洞
■企画制作:
キャピタルヴィレッジ/ホリプロ

■チケット発売:
キャピタルヴィレッジ先行販売
受付期間:2019年3月11日(月)~3月17日(日)
チケット先行販売URL
http://www.cnplayguide.com/cv_ajisai0622/ 
【お問合せ】キャピタルヴィレッジ Tel.03-3478-9999