去年の初夏に、私は行きつけの美容室で「髪の毛を痛めつけたいのです」とオーダー。



耳を疑う言葉に動揺しつつも、仕方なくブリーチを始めた美容師さんたち。
だって、1週間前に、パーマもかけてたんです、私。
それもこれも「髪の毛を痛めつける」ため。

何故って… 『向日葵の丘』の撮影で、ロサンゼルスで生活していて、髪の毛が痛んだ感じ?になりたいなあ、と思ったから。


私は、すごい健康な髪質で、黒で、直毛で、初めてソバージュ(ふふ)にした時に、一日中、美容室で、パーマ液まみれだった事もありました。

まあ、ヘアスタイルは、イメージを作りやすいので、一番、いじりやすいですよね。

思い起こせば、デビューの『レ・ミゼラブル』の時には、ロングヘアで、演出家さんから「あの当時はシャンプー等なかったのだから、洗髪禁止!」なんて言われて、真に受けて臭い頭で舞台に立っていた私。先輩方は「そんなのディップ付けてべたべたにすればいいんだからさ!」とか言うのを聞いて「そ~か~!」なんて事もありました。

NHKの『ノンちゃんの夢』では、ロングヘアに飽きて来た頃に、プロデューサーさんが「自立したノンちゃんて事で、髪の毛、切ろうか!」って言うので、NHKのヘアメイクさんが、化粧前で散髪してくれたら、それがスポーツ新聞で、取り上げられて大きな記事になったのを覚えています。
今で言ったらヤフーニュースに載る、みたいな出来事だったんでしょうか…。


『渡る世間は鬼ばかり』の時に、イケイケ女子、当時はなんて言ったっけなあ。長子は、遊び人だったので、ソバージュにしました。

ボブにしたのは、いつだったかな。
堂本光一君の先生を演じた時、中国人の設定だったので、漆黒に染めた髪を、ショートボブにしたり、『ヴァニティーズ』という舞台の時には、アメリカ人のチアリーダーだったので、大きくパーマをかけて、色も少し明るくしました。

『真夏の刑事』というシリーズでは、女性刑事という事で、ショートにして刈り上げにしました。

津川雅彦さんが「髪の毛も髭も、切るのは簡単だから、何もない時には伸ばしている」っておっしゃったのを聞いた事があります。
役者は、常に、いつどんな役がまわってくるか分らないから、長くしておけば、役柄に合わせて、自由に変化出来るように、という意味だと思いました。
私もそうありたいと思っていました。
でも、最近では、鬘も良いものが出来ていることや、髪の毛を長くしていると、ロングヘアのイメージの役しか来ない、とか、イメージってあるんだなと気づきました。
私には、ボブのイメージらしく、ロングにしていても、ショートにしていても、衣装合わせの時などに、ちょっとガッカリされる事もあります。

今度、秋に公開予定の映画『ポプラの秋』の佐々木も、ボブだから私、って感じだったみたいで、ショートの私は鬘をかぶりました。
申し訳ない!
でも、かぶってるっぽくないのは、私にボブが、染み付いてるから??
いえいえ、メイクさんの選んだウイッグが、絶妙だったからですね!


さてさて、そうこうしているうちに、私の髪の毛は、いい感じに脱色されてました。



もういいかなあ、と、色を見に来る美容師さんに「いや、やるなら、これでもか、って感じで」とお願いしたので、美容師さんはハラハラしていたようです。

『向日葵の丘 1983年・夏』


8月22日から、全国ロードショーです。
あのバブルの時代を振り返る泣ける物語。

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