恩師、奈良橋陽子と、息子、野村祐人の親子プロデュースによるハリウッド作品『終戦のエンペラー』のジャパンプレミアを観に行きました。
Bossの宇宙人でお馴染みのトミー・リー・ジョーンズさんや、テレビシリーズ『LOST』のマシュー・フォックスさん出演。
日本人俳優さんの、日本人らしい佇まいに天晴れ。
セットや、ちょっとしたところで「おしい!それは日本じゃ、ないなぁー」な部分もありました、が!日本人俳優の素晴らしさに目を瞑りましょう。
特に通訳を演じた羽田昌義さん!
マシューさんの言葉を訳すだけなのに、様々な状況での感情を演じ分け、更に、戦後の混乱の中、逞しく生き抜く市井の立場からの想いを、ほんの一言で表現。
その真実の言葉に、思わず涙が零れました。
また、奈良橋の実の祖父である宮内次官、関屋貞三郎を演じた故・夏八木勲さん、陛下を演じた片岡孝太郎さんは、抑えた静かな口調でありながら、迸る想いが溢れていて、本当に大切な「日本人像」をスクリーンに焼き付けてくれました。
他にも火野正平さんの東條英機は、きっとこんな姿であっただろうな、と想像をかきたてるシルエットだったし、中村雅俊さんの近衛文麿や駐在武官、鹿島大将を演じた西田敏行さんも、それぞれの立場から、日本と海外の違いを知りつつ、いかに日本を理解して貰えるかを模索し、言葉を探す、賢い大和魂を見せてくれました。
また映画の中で何度か涙を堪えきれなかった場面がありましたが、そのひとつに伊武雅刀さん演じる内大臣、木戸幸一の場面が挙げられます。
緊迫した、重要な場面であるにも関わらず、決して大袈裟なことをせずに、それぞれの役柄を「日本人らしく」演じあげた俳優の皆さんに、本当に感謝と拍手を送らせて下さい。
ありがとうございます。
そして、本当に嬉しい。
実際、私自身、戦後生まれです。
朝ドラ『ノンちゃんの夢』は終戦記念日から物語が始まりました。
戦争は祖父母や父からの話からしか知りません。
真実の戦後が描かれているか?は懐疑的ですが、出てくる日本人は、まさに「そうあって欲しい日本人の姿」でした。
震災直後に叫ばれた日本人らしさ。
実は今、薄れているのではないかと時折、感じる私です。
具体的に、何が、は分からないのですが、何か、失われているような気がします。
勿論、トミー・リー・ジョーンズさん、マシュー・フォックスさん、コリン・モイさんはじめ、進駐軍の方々は言わずもがな。
鬼畜米兵ではなく、「普通の人間」が、戦後日本をどう見ていたか、が描かれています。
アメリカ人の描くマッカーサー元帥。
見てください。
宮崎駿さんも、零戦の設計者の登場するアニメを作りました。『永遠の0』も映画化されるみたいです。
今、戦争、戦後の話が相次いで発表されてます。
8月だから?
9条改正が問題になっているから?
少なくとも、私達は、真摯に、戦争について考えなくてはならない時期なのだと、強く感じるのは、私だけではないはず。
映画のエンディングに流れる旋律に乗る美しい美しい声。
それは米良美一さん。
心洗われる歌唱です。
『もののけ姫』しか知らない方は、この歌声で米良さんをより好きになるかも。
上映後ばったり!
戦争を知る世代の人と、または、異文化の人と観たい作品です。
皆さんは、どんな想いを持つでしょうか。
松竹系で、7月27日(土)公開。
カメオで、奈良橋陽子女史も出演。
これからもこうしてプロデュース作品に顔を出すシリーズなのかなあ。はは。
サンデイマイズナーに師事した演技には、一瞬でも真実のモーメントがありました。拍手。
桃井かおりさんのように、私も直談判して出演をしたかったなぁ!
next time!