私は宝塚歌劇団のファンでした。

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『ベルばら』ブームのおりに、宝塚を観ていた皆様にとって、この顔ぶれが、どれだけ豪華か!
お分かりになるかと!

左から、平みち様、私、高汐巴様、峰さを理様、室町あかね様、で、ございます。

話は遡りまして、私が小学校四年生の頃。
当時、私のオピニオンリーダーであった親戚のお姉ちゃんが宝塚にハマり、当然、私も興味を持つのであります。
以来…
東京宝塚劇場にて公演される宝塚の公演は、毎公演、足を運んでいたと思います。
チケットが取りにくい時代、なんと私の実家の斜め前のお宅が、東京宝塚劇場の客席を設置する関係のお仕事に従事されていたお家で、毎公演、い~い感じで席を取って頂けたのであります。

のちに私がNHKの朝の連続テレビ小説のヒロインに合格した際、父が友人に電話で『宝塚(を)観せといたらいいかと思って通わせてたら… これだよ~』と嘆いていたのを、廊下で立ち聞きしてしまった私。

そうです。
宝塚歌劇団のモットーは「清く正しく美しく」良いお嫁さんになれる、と言われていました。
だから、ファンもそうあって、早く良いお嫁さんになる、と父は勘違い、いえ、早とちりしたのかもしれません…。ごめんね。


ま、母も巻き込んで、大ファンでした。
ビデオがまだ普及していない時代。日曜日の朝には『ザ・タカラヅカ』という番組をテレビで放送していたので、部屋のドアを閉めきり、カセットデッキをテレビの前に置き録音ボタンを押して息を殺して録音。カメラを片手に画面のスターさんをぱちぱち。
劇場サウンドトラックを買い、お芝居を目に浮かばせながら、レコードを何度も聞いて。
学校のお楽しみ会(クラスごとにやる学芸会みたいな催しもの)では、サントラの台詞を書き写し、親戚のお兄ちゃんの会社のコピーを使って台本を作り、『ベルサイユのばら』を上演しようと企てたり。あ、私は演出と、ばあやの役だったかな。その時はオスカル役の子が、全然練習に来なくて、中止になったと記憶しています。
毎月『宝塚グラフ』と『月刊歌劇』を購読。文字通り、穴が空く程、読み、眺め、あげくに下敷きに挟むように、好きなスターさんの写真を切り抜いて。

新聞や雑誌のモデルさんの顔に、マジックやボールペンで宝塚のスターさんのようなメイクを施したり、あげくは、自身もタカラジェンヌになりたいと、小さな雑作の顔のパーツを、なんとしてでも大きくせねば!と、口を横の指で引っ張って、口の端を切ってしまったり…。
母からは「容姿端麗」という受験項目について「虫歯とかあったら駄目よ」と言われて、スターさんの口を開いて歌っている舞台写真を凝視しては虫歯を探したり。

ともかく。
私の小学生時代後半は、宝塚がすべてだったわけです。
卒業アルバムの将来の夢には、スポットライトを浴びている人のイラストを描いた気がします。
夢ですから。夢。

祖父に言われて伸ばしていたお下げ髪も、男役さんに憧れて、ショートのワンレンにしたのもこの時期です。

それから大学生になり、『レ・ミゼラブル』のオーディションに合格し、鳳蘭さん、室町あかねさん(公演には出演されませんでしたが、合格されていました)に稽古場でお目にかかった時は、天地がひっくり返るかと思いました。
ついで『エニシング・ゴーズ』では大地真央さん、『蜘蛛の巣』では榛名由梨さんとお仕事をする事が出来て、本当に夢のようでした。

その後も、色々な方のつてで、卒業されたスターさんにお目にかかる事もありました。

そして桑山君と出会い、シャンソンです。

桑山君の弾くシャンソンの中に、私も知っている曲がいくつもあるわけです。
アレンジもよく知ってる。
あれ~ なんでこれ、宝塚の曲じゃぁ~ん!と思ったら、これ、シャンソンだったぁ~?みたいな。

シャンソンと言えば『愛の讃歌』とか『おおシャンゼリゼ』とかみたいなくらいしか知らなかった私。
まさか、『すみれの花さく頃』がシャンソンとは!『モン・パリ』がシャンソンとは!


一気に書きましたが。
とにかく、私の中で宝塚歌劇団は、おっきな存在なのです!
私が、こうして芝居を大好きでいる事。
私が、こうして歌う事が大好きな事。
全部の原点が、宝塚にあるのでありますっ。

で、私は一昨日、毎年、桑山君が出演させて頂いているシャンソンの祭典『パリ祭』に足を運び、宝塚コーナーなるメドレーのコーナーで、興奮していました。
出演される皆さんが、スタンバイする直前に、室町さんの計らいで、写真を撮って頂きました。

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ちょっと、ぶれてます、が(室町様ぁ~)
私を見て下さい。

私。ただのファンです。
この表情。これ、私が小さい頃によくしていた顔です。写真を撮られるという意識が確立していない、恥ずかしさいっぱいの私。
更にこの後、客席で小さく手拍子をしながら、は、と気づくのです。
私は、身体中の細胞が、小学生に戻っていました。
もうもう、あの頃のままなのです。

私が役者で、今は同じように、時にはあちらのステージの上に上がっていて、時には照明を浴びたり、お客様から拍手を頂く立場だとかいうのを、全部忘れちゃっていました。
スターさんに憧れて、ステージの木漏れ日のような明かりで、自分の顔が照らされる恥ずかしさ。その明かりで、もしかして、こちらが見えていて、もしかして、こちらと目が合ったらどうしよう。嬉しいけど、恥ずかしい。という気持ち。
あちら側のステージに、自分の旦那様が居て、その伴奏で皆さんが歌い踊っている、というような感覚もなく、ただただ、観客の中に座るファンでした。

そんな気分になって、ドキドキしました。

ほんとに、ふしぎ。

終演後、打ち上げの席で桑山君も一緒にぱちり。

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写真左手には、もう一人のタカラジェンヌ、風かおるさんが平さんの横に。
前田美波里さんや、ローリーさん、広瀬敏郎さん、嶋本秀朗さん、プロデューサーの窪田豊さんもぱちり。


お客さんで来たのに、楽屋でうれしくて舞い上がってる私を、ちょっと離れてみてた桑山君。


感動だわ。
感動。
桑山君。幸せ。
ありがとう。


ていうか、コーザイさん、モサクさん、ペイさん、ミネちゃんさん!
もう、ファンだかんね~。先輩とか、そういうのじゃないかんね~。あだ名で呼んじゃうよ~!って、目の前にしたら呼べないだけど…へへ。
格好良かったス~!

夢みたいな時間をありがとうございました!

びば!タカラヅカ!