2月12日に
川口市立芝西中学校陽春分校に
日本共産党川口市議団全員で
視察に行かせてもらいました。
陽春分校は平成31年4月に開校した埼玉県初の夜間中学です。
令和6年度より旧芝園小学校跡地に専用校舎が完成し教室数も増えて
少人数授業により、きめ細かな指導ができるようになったそうです。
生徒さん達は、
埼玉県に住む学齢期を超えた15歳以上の人で
初学校や中学校を卒業していない人や
中学校を卒業した人で、学び直しをしたい人や
在留カードを持っている外国籍の人で
簡単な日本語の会話や、平仮名・カタカナが分かる人
こういった方々が通っています。
遠いところから通う人、仕事が終わってから通う人など、
それぞれの事情がある中、頑張って通学しています。
視察は17時から始まり
まずは校長室でスライド上映をしながら
学校の紹介説明をしてもらい
それから校内を案内してもらいました。
スライドには喋った言葉が自動で翻訳されて
すぐに外国語の字幕が出る仕組みになっていました。
これだけでもビックリしたのに
フィリピン国籍の生徒さんが作った学校紹介動画があり
明るく楽しげで、ちょうど良いテンポの編集がなされていて
クォリティの高さに最初から度肝を抜かれました。
生徒さん達は自ら「学びたい」という意志を持っている人ばかりです。
雰囲気はとても良いです。
通常の中学校は29時間×35週=1015時間
陽春分校は20時間×38週=760時間
時間は短いですが道徳や特活、総合など
通常の中学校の教科を全部実施しています。
校外学習や運動会や合唱コンクールもあります。
1年生27名、2年生10名、3年生12名をそれぞれ1クラス編成として
1年生は日本語の習熟度別に2グループに分けられ
各クラスに担任と副担任が入り、帰りの会など複数体制で生徒さんをサポートします。
1年生の理科は時間が多めで実験や観察など体験を大切にしているそうです。
数学・英語は習熟度別に授業を実施して、技術家庭科、美術などの技術授業は
アシスタントティーチャーをはじめ、複数の教員で細かい支援を行っています。
17時半からが授業時間ですが先生方は13時から学校に来て
授業準備や教えることの研究をしているそうです。
様々なルーツを持っている生徒さん達に
分かるように教えるのは至難の業なのです。
義務教育というのは、やっぱり凄いなと思いました。
必要不可欠なものが沢山あります。
(少人数授業なのでステージの幅に席が収まる)
音楽室の奥にカーテンがあり
ステージにする時には黒板が隠せるのでした。
誰が考えたのか素晴らしい造りです。
調理室は
コンロがIHと今風でした。
ここで被服の授業もするそうで
ミシンもあるそうです。
2階に上がると多目的スペースがありました。
ここでご飯を食べる事もあるらしく
ポット等がありました。(学校給食はない)
奥の棚はタブレットをしまう棚です。
タブレットは持ち帰り不可で使った後はこの棚しまうそうです。
教室は大小あるのですが
少人数で使うようになってます。
1番大人数が入る教室も30人までで
それも動かせる壁で仕切って2教室になるようになってました。
二階建てですが体が不自由な人のために
エレベーターと多目的トイレがありました。
美術・技術室はもともと6個の机があったそうですが
狭いということで4個にしたそうです。
机が足らない時には2階の多目的スペースの机を使うこともあるそうです。
相談室
何事もなくともカウンセラーの先生と面談をして
信頼関係を作っていくそうです。
会議室・図書室
図書室には、まだ本があまり無く、棚が空いていました。
写真には撮っていませんがトイレはとても綺麗でした。
生徒さんがプロ級の掃除をしているそうです。
授業風景も見せてもらえました。(日本史と理科と国語)
生徒さんは前のめりになって熱心に先生の話を聞いていましたし
先生もなんだか楽しそうでした。
モニターがあって、自動翻訳の字幕が出ていました。
とても素敵な学校でした。
安心して学べるように考えて作った学校という感じがしました。
建物にも教育課程にも愛を感じます。
こんな夜間中学校があるなんて埼玉県と川口市の誇りです。