なかなかブログ更新ができずにブログネタがたまっている ふじしまともこです。
だいぶ前に買った本を一冊、ようやく読み終えました。
「私がつかんだ コモンと民主主義」岸本聡子著
大変興味深く
むちゃくちゃ面白かったです!
岸本聡子ってどんな人?って思っている人
ミニシュパリズムって何?と思っている人
こんな世の中でどうしらいいの?と思っている人にオススメです。
著者の岸本聡子さんはこのブログの最初に登場したあの方です。
今は杉並区の区長になっていて、この本のエピローグは選挙後に書かれています。
私は前作の「水道、再び公営化!」で2年ほど前に岸本さんを知って
ヨーロッパでの事例を元に水道問題にわかりやすい本を書いて
警鐘を鳴らしてくれたことに感謝していました。
岸本さんの文章はサラサラと淀みなく、とても読みやすいです。
岸本さんは、博識で情熱的で国際的で凄い人!という認識で
それは間違っていないのですが
どうして、どのようにしてヨーロッパで暮らすようになったのか?
オランダとベルギーで暮らしたのはどうしてなのか??
国際結婚の家族はどんなのか?
詳しいことは分からずに気になっていました。
この本ではそういった岸本さんの人生の歩みが書かれていて
その苦労話に人間味を感じられて良かったです。
凄い人に違いないけど、苦労と努力をなさっている。
ロストジェネ世代で、日本人女性で、国際結婚をしていて
答えのない生きづらさに対して
ずっとずっと悩みながら、考えながら生きておられる。
僭越ながら、とても共感します。
私もロスジェネの日本人女性です。
岸本さんは
気候危機から社会運動を始めていたのですね。
生きることを諦めないように、正義を諦めることはできない。
運動とはそういうものだと思う。
運動というのは、勝ちか、負けか、変わったか変わらないかという
二次元的なものでも、短期的なものでもないと私は思っている。
私にとっての運動とは問題を解決するために自分の考えや価値を
言葉にして共感する人々とつながる作業であり、生きることそのものだ。
環境問題は私の運動の出発点だった。
という運動論もよくぞ言葉にしてくれたと、嬉しくなります。
すごく共感します。
この本を読んでいると
ここ40年ほどの世界の問題や運動がよくわかります。
今は変化の時代なのです。
岸本さんは真剣に人生計画してても運命のほうが
その上の試練をぶつけて来るような人生。
その運命に対して、器用さはなく、
悩みながらもエイッと体当たりで乗り越えていく感じがします。
片耳が100%聴こえないとは驚きました。
オランダ語がなかなかできずに
ついには諦めてスッキリした。という所がグッときました。
一汁一菜でいいの、とご飯の話を書かれているところも興味深かったです。
自分で作った食材と地場の野菜でシンプルで美味しいごはんを作り、
近所の人や友達が食べに来てくれるような生活を夢見ながら、
今はあまりにも長い時間パソコンの前に座っている。
こういうの、こういうのもすごく共感します。
私も夢は同じです(´;ω;`)ブワッ
岸本さんの語る運動論や政治の話は本当に生きることに繋がっていて
「そうだ!そうだ!」と言いたくなります。そしてこの本は
私達がやるべきことを世界の事例を用いて肯定的に教えてくれます。
命を育む仕組みを社会、政治、経済の中心にしなくてはいけない
利潤と市場の法則よりも、市民、公益、コモンズ(公共財)を優先し、
政治課題の中心に置く。
議会制民主主義に限定せず、市民権や市民の政治への直接参加を重視する。
代表者である市長や市議は各地区の住民の会合に定期的に出向き、
住民たちの生の声を議会に持ち帰る。
勉強になるというか励まされる本です。
何度も読み返したいと思います。
この本を書いてくださった岸本さんに感謝します。