9月11日(日)の夜に
沖縄の知事選挙で玉城デニー氏が当選確実になった速報を聞いて
良かったな、とホッとして
そのままNHKスペシャルを見てしまいました。
香港民主化デモ鎮圧から2年した今の香港の様子を伝えてくれてました。
一見、香港市街は平和でキレイになっているのです。
けれども中身は
議会から庶民まで中国政府への忠誠を誓った人以外は
排除されるようになっていて
が怪しい(と思われている)人は
監視されたり尾行されたり
密告(通報)もさかんなようです。
学校では
自分の頭で考えたり話し合ったりする授業がなくされて
中国への愛国教育が推し進められています。
革命家達がどんどん逮捕されて
真実を伝える出版社が潰されて
ジャーナリストが廃業したり一人で頑張ったり
身の振り方を迷っていて
意外とジャーナリスト以外でも生きて行けて
酒に頼ったりせずに過ごせて
これはこれでいいのでは??と思ってしまえる環境に・・・
中国資本が入って安く住める住宅が建てられたり
物質的豊かさは増えているようです。
中国本土の繁栄を見せつけられて
中国にあやかりたいと思うようになったり
人の心が中国によっていくようにされています。
デモ当時、駅にいっぱい香港愛の書いた紙が貼られていたのに
綺麗さっぱり片付けられてしまっていて
天安門事件の博物館が閉鎖されてしまったり
天安門事件の記念日に公園に警察が大勢はべらされ
花束を持っているような人を取り囲んだり
タブーを犯して捕まらないように
天安門事件を忍ぼうとする人々が、電気のろうそくを持ったり
彫刻にろうそくを持たせたり、あの手この手で工夫していました。
番組の主役級の一人が
天安門事件の記念日に夜中に公園に行って
ろうそくに火を灯したスマホ画像をつけていました。
そして海に向かって「私は忘れない」と叫んでいました。
物質的に豊かになっても
自分たちの歴史を振り返ったり偲んだり
記念日にろうそくを灯して歩く自由もない。
歴史が奪われていました。
香港人は香港人だったのに中国人にされていく
それってどういう事なのか?
自分たちが何者であるか
分からなくなるんだろうな、と思います。
誰もが皆、先祖が居て、自分が今ここに居るわけで
歴史を失うということは自分が欠けてしまうこと。
自分たちの大前提が分からない状態で
自分たちの全てが
自分たち以外の誰かに
都合良く進んでいくのだと思います。
それってどういう事なのか?
矛盾や不具合があっても、正しい原因にたどり着く事ができず
謎や苦しみを抱えて生きて行くのだと思います。
一見自由なようでいて、実はそうでもないという。
嘘の上塗りばかりで本当が分からない。
だから尚一層、嘘ばかり増えて
どんどん不自由になっていく。
民主運動というのは文字通り「民」が「主」であると
民が己の主であるように自由であるということ
王様や外国人に支配されなくて、
自分たちの思うように生きられること。
そうあろうとすること。
それでこそ自分らしく生きられて
本当の幸せが掴めるのだと思います。
香港の若者が水になって自発的にデモを行っていた時
私も日本で政治活動をするようになって
辛い時に「香港の若者に比べればこんなのはまだまだ」と
自分に言い聞かせていました。
香港の若者たちにはとても励まされました。
今の香港の状況は悲しいですが
まだ終わらないと思います。
たくさんの若者の心に灯った火が
そうそう消えて無くならないと思っています。