今回の開催市は豊中市。一部は澤井勝先生を講師に、「財政制約のなかで、参加と協働の新しい仕組みを考える」というタイトルで、市民参加、協働についての研究会を行いました。
箕面市は「まちづくり理念条例」や「市民参加条例」など、市民参加や協働について他の自治体に先駆けてとりくみ条例制定をおこなってきました。また、藤沢市長は「情報公開から情報提供へ」を施策に据え、小学校区ごとの「市民自治区構想」を議会で披瀝し、トップダウンで行われる「住民自治」ではなく、市民が自らの地域の課題を出し合い、地域の特性に沿った「自治の展開」が行える仕組みを提唱しています。ラウンドテーブルをテストで実施し、ある地域では順調に進みつつあるという報告も得ています。
また第5次総合計画の策定を市民協働でおこなうために「市民会議」を立ち上げ、行政と市民が協働でこれからの箕面をデザインしようという画期的な動きもあり、成果をあげつつあります。
しかし、まだまだ議会は保守的で「市民参加」に消極的。男女協働参画推進条例制定をめぐる議論でも、市民研究員が2年かけて行政と協働でまとめた素案について「市民が考えたからそれを議会が認めよ、というのは間違っている。決めるのは議会だ」というような意見も飛び出すなど、保守的・古典的な発想が根強い傾向にあります。議員は市民に選ばれた代表であるから、議員の発言が市民の声だ、というものでしょうが、今はやはり、どんどん情報を市民に提供し、市民はそれについて意見を言い、市民も行政や議会をチェックできるようにする。そんな中で、役所も議会も活性化され、さらに進化した民主的な行政が実現するのではないか、と思います。
澤井先生はよいルールがあってもそれをどのように使いこなすかが鍵であると述べられれています。
「条例や規則は時代の変化に応じて変えていかねばならない」
「法律・条例や制度における『理念』が大事。その理念を鍛え上げ、趣旨にそった制度にしていくことが大事」
「市民が自立し、自己統治能力をつけられるようにしなければならず、議員がインタープリター(事象をわかりやすく読み解き伝える人)の役を担うこと(が大事)」
などなど、私にとってはこれまでの自分の考えを後押ししてもらったようで元気がでる会合でした。
ただ、「社会保障・福祉の充実は増税しかないのか?」という課題について、もう少し突っ込んだ議論ができなかったのは、少し心残りとなりました。