老々介護の悲劇。
夜のニュース番組で、80歳と82歳の老夫婦が墓地横の焼却炉で心中した事件を報道していた。親戚はあったが子どもはいなかった、とのこと。妻は認知症で夫がひとりで介護していたそうだ。おそらく介護保険制度を活用していなかったのだろう。もし利用していれば、ヘルパーさんやケアマネージャーを通じて、このご夫婦に何らかの手が差し伸べられたはずだ。また地域の民生委員やご近所にとって、当事者の追い詰められた心の奥を見抜くのは至難の業だと想像する。
認知症高齢者の介護は、傍で見ているよりエネルギーを使うし、ものすごいストレスをともなう。何らかの発散や相談できる相手または癒せる「場」がなければ、どこかで破綻したとしても不思議ではないのだ。
そして、このような悲劇が今後減少するとは思えない現状があり、にやり場のないくやしさがこみあげてくる。まもなく、地域で介護支援を行うという「地域包括支援センター」なるものが各自治体に構築される。箕面市では4箇所に設置が検討されている。
「施設」ではなく、「地域」で介護を支える体制の整備。介護保険制度の改定で、ますます施設利用が遠くなり、追い詰められていく高齢者とその家族のことが気がかりだ。
「介護」で疲れきって途方に暮れる介護者の「心のケア」も絶対に必要だ。
・・・もうこれ以上、悲劇をうまないために、当事者の実情を十分に考慮したシステムの整備が急務です!