エアコンの方は、超定番トラブルでエバポレーター漏れでした。
部品の到着待ちになっています。
まぁ、OEM部品なら5万円以内で納まる部品なのでしょうがないかと・・・
パイプからガス漏れしてたらぶっ倒れもんですよね。サクションラインASSYで13万円だとか…
冷媒の通ったパイプの周りにガソリンを流して冷やすなんて奇怪なことをしてるので高いのか??
エアコンの話は修理の時にしますね。
んで、皆さんが一番気になっているのは『コイツはいくらお金を使ったのか?』って辺りなんじゃないでしょうか(笑)
あれもこれもと書いていたらとんでもなく長くなってしまった 、読みたいと思っている変人は覚悟して読むべし。(ホントに長いぞ~!!)
はっきり言って、お金は相当使ってますw
私のところにこの車がきたときには不動車でしたから、前オーナーの乗り方とかは全く分かりません。
私が分かるのは、16年落ちで8万キロでバックしないってことだけです。

ここで1回整備暦をリセットする位の勢いでA/T内部の消耗品を交換しておきましたので、10万キロは悩む必要がないと思います。

一番の原因はこのB3リバースディスクのフェーシング剥離によるものです。
色々とネットで検索をしましたが材質不良のようで、90年前後のモデルの物に多発しているそうです。
鉄のベースに基材を溶着してからフェーシング材を貼り付けしてる3層構造なのでしょうか?
インナーディスク4枚の表裏が全て綺麗にフェーシングが無くなっています。
粉状の摩擦材に樹脂を混ぜているんだと思いますが、樹脂に問題が有るような気がします。

リアバルブボディーにははっきりと分かる破片が入っていましたが、この破片は触ると粉になってしまいました。粉状になったものは、バルブボディーの中にヘドロのように堆積したんです。
触ると粉になってしまうくらいですから樹脂が完全に劣化して摩擦材のつなぎの役目を果たしていないのでしょう。


新品の状態ではインナーディスク1枚当たり2.1ミリの4枚合計で8.4ミリの厚さがあるはずなんですが3.7ミリです。

K1、K2はしっかり8.4ミリあります。
初めは何箇所か脱落してバックにシフトしたときにタイムラグを感じる程度だったと思うんですが。
この時点でオーバーホールしてればインナーディスクのみの交換で済んだんですね。
とりあえずバックするのでムリして乗っていたのでしょうね。
ディスクが薄くなった分クラッチを押し付ける圧力も下がり、クラッチすべりが発生します。
滑ったことによる熱でさらに樹脂の劣化が早まり完全に脱落したんだと推定されます。
それでも使いつづけていたため、リバースピストンの突き出し量が増えてきてスプリングとリテーナーを押しつぶしてしまったのではないでしょうか。

この時点で変な音がしていたんだと思うんですがねぇ・・・
吹かせば滑りながらもバックするって感じなんでしょうか??最終的にはリバースピストンがK2クラッチハウジングに体当たりしてミッションが2重かみ合い状態になりバックで全く動かなくなった上に、ピストン裏側の回り止めボスまで破損したってところですね。
この破損具合で余分に部品代が2万円位掛かります。
現在の新品部品も部品番号は変わっていませんが、材質は改良されているのか?
非常に気になる部分であります。

K1、K2クラッチのインナーディスクは新品の時の印刷が読み取れる位で全く磨耗していませんし、剥離もありません。まぁ、1枚定価で1500円もしないものなので合計8枚ですが交換しておけば安心だと思いますが。この感じだと最低20万キロは持ちそうですね。

B1ブレーキバンドも印刷が読み取れますので減っていないと判断できます、リバーススプリングの破片がかみ込んでしまったようで多少焼け跡がありますが亀裂も無いので20万キロは持ちそうかと。ここは定価で2万円しますので、現品を判断して交換したほうがよいと思います。

B2ブレーキバンドも同じくです。20万キロは行けてましたね、印刷は入っていなかったのですが表面のクロスハッチみたいな加工が見て分かるあたりからして磨耗は全くしていません。磨耗すれば、回転方向に摺動キズが入りますからね。
ネットでの話によるとこのバンドの摩擦材にはケブラーが配合されていて相当頑丈になっているらしいです(ネットの話なのでどこまで本当か分かりませんが、他の部品とは摩擦材の色が全然違います)。こちらは定価6万円もしました。
金額が金額なだけに現物の具合を確認してから交換したほうが良かったのでは?と思いました。
バキュームモジュレーターは車にミッションが乗った状態だと交換が相当大変なのでついでに変えておくのが安心です、ダイヤフラム破れによるATFの減少もけっこうあるようですし。
あとはB2のリアクションバルブを部品屋に薦められるままに交換してみましたが、違いは分かるような分からないような・・・???

同じくリアベアリングも部品屋の薦めで変えてみましたが、外したものは日本製(NTN)で全く不具合がありませんでした。コレも20万キロは行けたんではないかなぁ。
新品も日本製なだけに安心ですけど。
私のミッションの場合、ここまで替えたことで部品の寿命がだいたい見えてきた気がするので10万キロ走ったらリバースインナーディスクのみ交換しようと思っています。
それだけだったらオイルポンプのパッキン、フロントオイルシール、B1バンドのオーリングだけで部品の方も安く上がりますし。
そこからもう10万キロ走ったらフルオーバーホールを検討するくらいで間に合いそうです。
シャフトやギヤ関係、ニードルベアリングも頑丈な感じですので。
あとは、シールキットのオーリングとテフロンリングを全交換ですね。
やはり、距離が少なくても年数が多ければ硬化しています。外すときにバラバラになったものもありますから、全数交換でしょう。
だだ、⑩の時にもありますようにスロットルリンクのシャフトに入ってるシールは後のカシメが強敵なので考えてから交換したほうがよろしいかと。

あと、シールキットに入っていないもので必ず交換しておきたいものはミッションリアに付いているキックダウンソレノイドのオーリング3個とB1、B2リアクションバルブの先についている樹脂製のロッドホルダーですね。必ず割れるようです。
それから、シールキットにはレベルゲージパイプのオーリングとオイルクーラーパイプのシールワッシャー4枚が入っていませんのでコレも用意しておきたいです。
部品は全てスピードジャパンにて手配しました。部品番号はその車ごとに違うので省略します。
値段を書いてよいのか??ですけど・・・
A/Tガスケットキット 定価¥29,900→¥17,800
インナーディスク 定価¥2,170→¥1,300×4=¥5,200
インナーディスク 定価¥2,050→¥1,230×4=¥4,920
インナーディスク 定価¥2,170→¥1,300×4=¥5,200
ブレーキバンド B1 定価¥19,300→¥13,800
ブレーキバンド 定価¥58,300→¥29,000
B2リアクションバルブ 定価¥8,550→¥6,500
バルブボディガスケットキット 定価¥16,700→¥10,500
ATフィルター 定価¥3,850→¥1,860 (KNECHT製)
リアベアリング 定価¥4,290→¥2,750
リアナット 定価¥1,080→¥680
バキュームモジュレーター 定価¥9,690→¥5,800
シフトブッシュ 定価¥290→¥210×2=¥420
リバーススプリング 定価¥100→¥75×20=¥1,500
リバーススプリングリテーナー 定価¥580→¥400
リテーナークリップ 定価¥110→¥100
オイルガイドO"-リング 定価¥110→¥100
キックダウンソレノイドO"-リング 定価¥460→¥370
キックダウンソレノイドO"-リング 定価¥330→¥230
キックダウンソレノイドO"-リング 定価¥160→¥120
B1、B2ロッドホルダー 定価¥110→¥95×2=¥190
B3アウターディスク 定価\3300
レベルゲージO"-リング 定価\300
オイルクーラーパイプワッシャー \90×4=\360
リバースピストン 定価¥18,600→¥14,880
部品合計126280円(フィルター以外は全て純正部品を使用)
案外高くなってしまいました。
あと、シェブロンATFを8リッター用意していてコレが3000円位。
純正にしたほうが良いのか?悩んだんですけどね・・・高いし。
規格が合えばとも思ったんですけどデキシロンⅡなんて今時あまり売っていないだけに逆に高い。
そんなこんなでデキシロンⅢ規格のものを選んでみました。
シェブロンMD-3はデキシロンのほかにもフォードのMERCON規格にも対応していて万能なようですのでこれになりました。
安いのでしょっちゅうオイル交換できますしね・・・実は2ケース(22リッター)キープしてあります。
バラして分かりますけど、ATFの交換は重要ですからねぇ・・・オイル交換で、汚れをためる前に排出できれば一番経済的でしょう!
思わぬところで、パーツクリーナーは1ケース使用していますので4000円位。
ウエスは布のものを使ってはいけませんぞ!!糸くずがでますので。ペーパウエスのみです。

工具を木で製作したり、部品をしまって置く衣装ケースを買ったりで4000円位使っていたりします。
他に、ワセリンが必要になります。私は工場の中に転がっていたので工業用のワセリンを使用しましたが、薬局で売ってるものでも同じです。
工業用との違いは薬用のため、精製度が高いんだそうです。なので、薬局のモノの方がグラム当たりの単価は高いです。
しかし、工業用は最低でも500グラムからでしかありませんで1000円くらいします。
実際の作業では20グラムも使っていないような感じですので薬局で一番小さいサイズのものを買ったほうが経済的です。

あと、必須になるものはEPC(電子部品カタログ)です。PCにインストールすれば車体番号から部品検索できます。
コレを見て部品の位置を覚えておきます。ヤフーオークションで検索すれば売っています。
あと、EPCにはバルブボディー内部の構成図までは載っていませんから整備書が無いと困難です。
私はATSG(http://www.atsgmiami.com/)というアメリカのAT専門サイトから整備書をダウンロードしてプリントアウトして使いました。Bookstoreというリンクを押していくと整備書の販売がありますので、ベンツの722.3.4ミッション用整備書を探し出します。25ドルですので、Delivery Methodをdownroad onlyにしてAdd to Cartをクリックしてからクレジットカードの番号を入れて決済すればすぐにPDFファイルで見れるようになります。
120ページもあり全部英語なのでてこずりますが、図もあるので何とかなるんじゃないでしょうか。
しかし、ATSGの図を信用しきっていてはダメです。整備書が古いのか現物のほうが改良されていて大分部品構成が違うので必ずデジカメで部品を記録しないと大変なことになります。
ばらすのは簡単なんですが、洗浄して元通りにするのに大変な時間と労力を必要とします。
ミッション自体は4輪ウマで50センチ以上浮かせてあれば降ります。
フロントマフラーとセンターマフラーの差込部分が固着してきついです、ここさえクリアーできればフロントマフラーのみで外れるのでミッション降ろしは出来ます。
ミッション本体の分解組み立てにはなんだかんだで30時間位掛かったんでは?
これを専門に整備してる方々たちもいらっしゃいますが、頭が下がります。
でも、やった以上の価値はあります!時間があって、何でも手を出してみたい方いかがですか?
間違いなく後悔しますw
プロの仕事は、案外高くないですよ。
ここまで読んじゃった人!お疲れ様でした!!