就活をしている時に、面接でフリーターでしたって話をすると、「夜の仕事?」って聞かれたんだよね。
普通の飲食店でアルバイトしてきたって答えたら、「へー珍しいね」と言われたし、性同一性障害に対してどんな印象持ってるんだろうね?
当事者だけでも2万人くらいはいるはずなんだけど、それほどの人数の人がみんな夜の仕事を経験するとなると大変だよね。
性別を変える前は、女性として働きたくないって思ってたよ。そう考えると、男性として扱ってくれる理解のある夜のお店で働くのはベストだとは思う。
だけど、女性として生きるのもこれが最後なんだからって思うとさ、俺は女性としての人生も誇れるような、そんな生き方をしていきたかった。
「女性時代も頑張ったし、男性になってからも頑張ってる」そんな人でありたかった。
頑張ってる人ってかっこいいし、男性でも女性でもどちらでもなくても、頑張ってる人はかっこいい。
女性としても良い成績を残して、男性としても良い成績を残す、そんな経験出来るのって貴重だな、っていう考えでやってきた。
だから働く場所なんてどこでもよかったし、夜の仕事だと聞かれたことに違和感を持った。
どんな仕事をしてたとしても、そこで「どんな風に働いたか」が大切だと思う。
例え夜の仕事をしていても「戸籍は女性のままだけど、男性以上に男らしく働いた」だったら、頑張ったんだなって感じる。
俺はホルモン注射打ってても、可愛らしいふわふわした印象みたいなのは変わらなかったし、男らしく振る舞うことの難しさはわかる。
自分が男性らしく働くことが難しいと感じていたからこそ、女性時代は「女性として有終の美を飾れるように働いた」っていうそれだけの話。(女性らしくはなかったね笑)
男性になった時にも、人からの評価が変わらないように俺は頑張ってきた。結果を作った後なら、何にも言われる必要はないし。
女性として頑張った過去があるからこそ、男性としての今がある。どんな状況にいても頑張って問題を乗り越えたという自信にもなる。
自分だけならどんな印象を持たれていても別に気にはしないけど、全ての当事者へ同じ印象を持っているとしたら話は違うよね。
当事者みんなが生きやすい社会へするためにも、今持たれている変な印象を変えていかなければいけないなと思う。
俺だけが頑張るだけなら、影響力は知れている。多くの人に正しく理解されるように、周りを巻き込んで実行していかないとね。