子宮卵巣摘出手術(膣式)を受けた時の体験談を書いていきます。
まず膣式を選んだ理由は2つある。
傷が残らないこと、体に負担があまりないこと。
実際に手術を受けてみて、この2つに関しては期待通りだった。
手術後に全く痛みがなかったし、体がだるいということも全くなくて、手術の次の日には歩けていた。もちろん目に見える傷はない。
膣式を受ける上で必要な心構えがあるとするなら、穴に棒を入れられるから、ちょっと痛いよってことくらい。
膣から子宮卵巣を取り出せるのかどうか検査をされるんだけど、何かしらの棒みたいなのを入れられる。これがほんの少し痛い。(処女じゃなくなる時の痛み?経験したことないからわからないけど)
手術の時のことはよく覚えていないんだけど、手術室に運ばれると、部屋が冷蔵庫かってくらい寒かった。いつの間にか寝てて、気づいたら自分の部屋にいて手術は無事に終わってた。
手術前に心配してたことは1つあった。
何かしらの問題があると、膣式で手術が出来ない可能性があるということ。
ホルモン注射をしている期間が長い場合、膣が狭くなって取り出せないとか。
問題が発覚しても寝ている人をわざわざ起こして、「問題があって膣式では出来ないので違う術式で行います」なんてことは伝えられないから、もし出来なければ医師の判断で状況に応じた術式でされる。
過去に術式変更の例はなさそうで、800人中3人くらい問題は起きたけど、開腹だったから大丈夫だったと聞いた。
ちなみにこの手術はタイで受けた。
滞在日数は9日間で、費用は80万円くらい。
胸オペは日本で受けたんだけど、その時にすごい痛くて、麻酔が切れたのか手術中に目が覚めた。(笑)
ドレーンの跡は今でもわかるし、胸は術後も2ヶ月くらいは痛かったし、今でも乳首が痛い時がある。
だから僕は、子宮卵巣摘出手術で痛みに耐えることも、大きな傷口が出来ることも考えられなかった。傷口を気にして神経を磨り減らすことも、痛みで活動が制限されることも嫌だった。
診断書、交通費、海外に行く準備にかかった費用は、手術費込みで100万円近くにもなった。
早く戸籍を変えたい人ならば金銭的な問題もあるし、手術が出来ない場合もある。
だけど、僕の勝手な意見としては、出来れば膣式を受けてもらいたいなと思う。
当事者の方々にはみんなはもう十分頑張ってきたと思うし、出来れば手術で痛みに苦しんで欲しくないし、術後の心配も少ないに越したことはない。
ちなみに、バイトは帰国して次の日から始めた。タイでも手術後に散々遊べたくらいだからね。
一生に一度しかない手術だし、金額は高くても、痛みがなくてすぐに動けるというメリットを考えると、膣式にする価値はあると思う。
ただ、この手術は目的ではなく手段でしかない。
性別を変えることは人生のゴールではなくて、当事者みんなが自分らしく生きることや、将来の夢のための通過点であるということ。
これから手術を考えられている方は、自分が本当に幸せになれる手段を選んで、目的に向けて新しく人生をスタートさせてください。
気になることがあればメッセージからでもお答えします。僕個人の経験しかお話出来ませんが、気軽にお尋ね下さい。