昨年刊行された友川カズキの自伝的エッセイ「友川カズキ独白録: 生きてるって言ってみろ」。その際にプロモーションの一環で作成された「友川カズキの酔眼レコメンリスト」を小出し15回に分けてご紹介いたします。本人の推薦コメント付きです。
 
 
■『友川カズキの眼』(書籍編)その⑤
 
[私を“犯した”15冊の書籍:面白過ぎて競輪場では読めません]

 


団鬼六『牡丹』(幻冬舎アウトロー文庫)


勝負師必読の一冊!
「これは輪友(競輪仲間)の若者が『凄い本見つけた!』って言ってね。彼に送ってもらって、それで読んでみた本なんですけど、いや、参っちゃった。博徒とかヤクザとか力士だとか、いわゆる勝負師たちに対する眼差しっていうのかな、ギャンブラーならではの描写に深い情感があるのよ。『真剣師小池重明』も、あわせて読んでほしいね」

 

 

 

 

 

 


■『友川カズキの耳』(音楽編)その⑤
 
[私を“冒した”15枚の音盤:遊蕩詩人のサウンドトラック]

 

エミール・クストリッツァ&ノースモーキング・オーケストラ『ウンザ・ウンザ・タイム』2000 (Barclay)


祭り好き体質に激しくフィット
「そもそもね、クストリッツァの映画が大好きなんですよ、私。全作観てるし、どれも面白くてねぇ。駄作がないもの。あの流れてる時間のスピード感、やたけたな勢い、生き生きした人物の表情。何もかもが豊かな感じがしてね。うん、彼らの音楽にも全く同じものを感じるね。楽しく犯されるっていうか、目の前を台風が過ぎ去っていくような。ホント、豊潤なんだな。私も実は一曲カバーというか、『盗作』してるんですけどね。ライブでもよくやる『この世を踊れ』って曲ね」

 

 

 

 

続く