昨年刊行された友川カズキの自伝的エッセイ「友川カズキ独白録: 生きてるって言ってみろ」。その際にプロモーションの一環で作成された「友川カズキの酔眼レコメンリスト」を小出し15回に分けてご紹介いたします。本人の推薦コメント付きです。

 

 

■『友川カズキの眼』(書籍編)その④

 

[私を“犯した”15冊の書籍:面白過ぎて競輪場では読めません]

 

辻まこと『山からの絵本』(ヤマケイ文庫)

 

人間臭のない凄さ

「最初は実父で詩人の辻潤に興味を持って。それで彼の存在も知って。両親含め、実人生があまりに壮絶だよ。彼の絵に関して言えば、『自分』が全く投影されていないというか、いやらしさが微塵もないところが凄いと思って。そういう画家ってほとんどいないもの。他には熊谷守一くらいか。あのサラッとした感じ......絶品ですよ」

 

 

 

 

 

■『友川カズキの耳』(音楽編)その④

 

[私を“冒した”15枚の音盤:遊蕩詩人のサウンドトラック]

 

Moondog『Moondog I&II』1969、1971 (Beat Goes On)

 

シンプルにして荘厳 童謡みたいな感じも好き

「私のバンドメンバーでもあるパスカルズの永畑雅人(ロケット・マツ)さんもファンだそうで。彼らはカバーもしてるそうですね。これは東北をツアーで回ってる時に車の中で聴かされてね。状況のせいもあったんだろうけど、なんだかやけに耳に入ってきて、気になっちゃって。単調といえば単調なんだけど、シンプルってね、実はとっても難しいのよ。私は何でも勢いで作っちゃうタイプだから深く考えたりしないけど、削ぎ落として行く難しさというのは確かにあるでしょうね」

 

 

 

続く