昨年刊行された友川カズキの自伝的エッセイ「友川カズキ独白録: 生きてるって言ってみろ」。その際にプロモーションの一環で作成された「友川カズキの酔眼レコメンリスト」を小出し15回に分けてご紹介いたします。本人の推薦コメント付きです。
■『友川カズキの眼』(書籍編)その②
[私を“犯した”15冊の書籍:面白過ぎて競輪場では読めません]
洲之内徹『洲之内徹が盗んでも自分のものにしたかった絵』(求龍堂)
『気まぐれ美術館』文庫でも復刊を!
「これは芸術新潮に連載されていたエッセイ群からの抜粋と、図版で構成されたアンソロジーというのかな。まぁ、言葉がね、評論家のそれじゃないのよ。いい意味で作家の言葉なのよ。だから読まされるの。だけど、『気まぐれ美術館』シリーズの文庫が絶版だっていうのはつくづくもったいないよな。実は私自身も晩年の文章で取り上げてもらったんですよね。そのエッセイの表題は、『トドを殺すな』だったんですけどね」
■『友川カズキの耳』(音楽編)その②
[私を“冒した”15枚の音盤:遊蕩詩人のサウンドトラック]
PedroSoler & GasparClaus『Barlande』2011 (InFin)
鬼才父子の絶妙な距離感
「私ともよく一緒に演奏してくれてるフランス出身のチェリスト、ギャスパー・クラウスと彼のお父さんのデュオ作だね。お父さんのペドロさんは有名なフラメンコギタリストで、私もヴィンセント・ムーンの映像でその演奏を初体験したんですが、驚嘆しちゃって。鬼も仏も絶妙なバランスと距離感で両立しててね、親も子も凄まじいよ」
続く