結局、期日になっても入金がなかったので

公正証書を用いた強制執行の手続きに入ることになりました。

 

裁判所の執行官と打ち合わせをして、

先方に行く日時を決定。

 

当日は、予定より少し早目に

顧客の工場に行き、裁判所の執行官を待つことに・・・。

 

諦めムードの社長から、足元の業況を聴いていると

執行官が入ってきました。

 

挨拶を交わし、強制執行の説明がされた後、

目録に記載された商品に、ペタペタと赤紙を貼り付けていきます。

最も高額な商品を筆頭に、数点に赤紙が貼られました。

 

社長が一言、「銀行がこんなことするんやなぁ」

 

確かに、銀行は簡単には最終手段を使いません。

ギリギリまで交渉して、「止む無し」というところで

初めて強制執行のステージへ移る。

 

でも、この「つなぎビジネスローン」はテスト販売。

あくまで「テスト」なので、商品化された後のことを

想定しないといけない。

だからこその「強制執行」だったわけです。

 

それから、約1ヶ月後。

社長から連絡が入り、ようやく貸出金を回収し

赤紙が剝がされたのでした。

 

(つづく)