社長が射殺されるという事件の後に襲ってきたのが、
所謂「商工ローン問題」というやつです。
私が勤めていた「商工ファンド」は当時業界2位で、1位は京都に本社を置く
「日栄(後に“ロプロ”へ商号変更)」で、この大手2社の貸し方や取り立てが
社会問題化しました。
「商工ファンド」は連帯根保証を使用した貸付が問題視され、
「日栄」は「目ん玉売れ!!腎臓売れ!!」など暴力的な取り立てが問題視。
イメージは・・・
日栄=暴力的
商工ファンド=悪知恵
こんな感じでしょうか・・・。
業界全体の問題とされたのは「グレーゾーン金利」。
「グレーゾーン金利💰」って何???という話ですが、
ざっくり言いますと、貸出金利の上限は15%(利息制限法)で、
それを超える金利(出資法に基づくもので、40.004%から29.2%に引き下げ。今は知りません・・・)
は任意で払うものであるという考え方で、15%の利息制限法と40.004%という出資法が存在し、
出資法には事実上罰則規定が無かった為、15%~40.004%の金利が「グレーゾーン」と呼ばれた
所以です(多分この説明で合ってるはず。間違ってたらゴメンなさい💦)
連日連夜マスコミに採り上げられるようになり、ついには両社の社長が国会に
参考人招致されるという事態に発展したのでした。
業務中でだったので、国会中継をリアルタイムでは見れませんでしたが、
「必要悪な商売」とか「ただの(企業の)延命措置」とか「暴利を貪る」とか、
国会議員の先生方に言われたのに対し、
社長が「お言葉ですが、暴利を貪るとは心外です」
と反論したのは良く覚えてます。
商工ファンドの貸し方で、具体的に何が問題視されたかと言いますと、
例えば、今は100万円だけ借りたい会社があったとして、
売掛金の回収が突発的に遅れた時の事も考えて、
借入枠を500万円にしておきたい。
こんな社長さんの為に、予め連帯保証人さんには500万円の保証をしてもらう。
これで、必要な時に500万円までは借りられる状態になるんですが、
追加で融資をする時は、都度連帯保証人さんの了解を取らずとも
融資実行できるという仕組みだったので、連帯保証人さんが知らないうちに
枠一杯まで借入していたという事がしばしば起こってました。
こんな状況に対し、「日栄・商工ファンド対策弁護団」とやらも出来、厳しい視線が
送られてました。
ちなみに、この対策弁護団のトップが、東京都知事選に出馬された
宇都宮健児日弁連元会長でした。
当時の事を振り返ると、
実際に、「あんたらのような業者がいないと困る」という生の声を沢山聞いていたので、
「現場を知らず、金で困る事とは無縁な国会議員さんに、何が分かるんだろうか???」
「金利が高いか安いかはお客様が決めること。高いのが嫌な人は借りない。」
「金利はリスクに対する対価である」(これは社長がよく言うてました)
と思って当時は仕事をしていたので、国会議員さんに嚙みついた社長が頼もしく思えましたね。
自分たちがやっている事の良し悪しは別にして・・・(笑)
ちょっと長くなったので、今回はここまで。
次回は・・・起こったこと③として、他の事件など書いてみたいと思います。