前回のお話↓





ヨウヘイの家に着き

私を見たヨウヘイはすごく驚いていた


血まみれで

服は破けてはだけていた


髪はぐちゃぐちゃで

顔は殴られて腫れている


そんな姿で家には入れないので

すぐにヨウヘイの車に乗り込み

ヨウヘイが持って来てくれたパーカーを着た


ヨウヘイに一部始終を話した


その間

ヨウヘイは怒りで震えていた



ヨウヘイは実家暮らしで家には家族がいる


さすがにそんな姿で泊めてもらうわけにはいかない


自分の家には絶対にオーナーが来るので危険


娘にもこんな姿は見せられない


とりあえずすぐに母に電話をかけ

事情を説明


オーナーが来るかもしれないので

絶対に出ないように言った


母もオーナーを慕っていたので

すごく驚いていた



親友のマナミの家にも絶対にオーナーは行く


でも

マナミの家に泊まらせてもらうしかない


とにかく誰にもこんな姿は見せられないし

話が広がらないように

信用できる人にしか話せない



マナミに電話をかけた


マナミは睡眠薬がないと寝られない


飲んで寝ると

途中電話がきても起きられない


でも

不思議とその日は

電話に出てくれた


薬は飲んでいたらしい


意識の朦朧とする中

何とか話を理解してくれて

泊めてくれることになった



心配なので

ヨウヘイも一緒に朝までマナミの家にいてくれた


もしかしたら

私たちが到着する前に

すでにオーナーは来たのかもしれない


マナミが寝ていて気づかなかった可能性がある



3人で話し合った結果

やっぱり警察に言うのは

危険すぎるということになった


私も警察沙汰は嫌だった



私の携帯とマナミの携帯に

何度も何度もオーナーからの着信があった


すごく怖かった


その後

お店に残して来た男性従業員からも電話がきた


もしかしたらオーナーと一緒にいるかもしれない


そう思い電話に出なかった


とりあえず私の携帯は電源を落とした




状況がわからないと動けないので

マナミが男性従業員に電話をかけた


無事だった


私がお店を出た後

その事に気づいたオーナーは

私を探し回ったらしい


かなり動揺していた様子で

我に返ったのか

自分のした事に焦りも感じていた様子だったらしい


私は逃げて

彼氏の家に行ったと思われているみたいだった


彼氏がヨウヘイだとは思ってもいないので

少し安心した


残された人達もその後解散


そして私に電話をかけてきたみたいだった


やっぱり警察には言わない方がいいと

彼らも言っていた



それから数日は

マナミの家で過ごした


ヨウヘイが仕事の休みの日は

ヨウヘイも一緒にいた


夜はヨウヘイの信用できる友達数人も

マナミの家に集まってくれた


もしもオーナーが押しかけてきても

俺たちがいるから大丈夫だと


心強かった



娘と会えないのは辛いけれど

まだ小さい娘でも

母親のこんな顔を見たら

きっと不安になる


腫れが引くまでの我慢


電話で声を聞き

寂しさに耐えた




その事件があってから

私はヨウヘイと一緒にいる時間が増えた


誰かにずっと側にいてもらわないと

不安だった


ヨウヘイが守ってくれる


私はヨウヘイに甘えるしかなかった