どこからともなく
フルーツ泥棒はやってきて
大きな羽音だけを残してゆく
なんの予定もない こんな昼間には
窓を開け放ち
新鮮な空気と光を
この部屋から見える
パッションフルーツの樹と湖が
いつも私に南国の風を感じさせてくれた
通称フルーツ泥棒と呼ばれているその鳥の姿を見た記憶は無くて、ブアサ！ブアサ！という羽の音とその余韻が、目覚まし代わりのように毎朝やってくる。
この部屋からの景色は、やはり最高だと思う。
この窓からフラッと出て行くとすぐに湖がある。芝生に座って、何度も眺めた。
サーファーで賑わう海とはまた違い、物静かにたゆたう湖面を眺めているのも好きだった。
いよいよこのジョンハウスを、バーリーヘッズを、離れる時が来たようだ。
つづく
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