ご訪問ありがとうございます。不妊治療て授かった息子と双子(一卵性)の娘を育ててます。
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娘たち(Y&A) 0歳6ヶ月
現在育休中。2022年4月復帰予定です





エリスリトールの調理への応用について調べてみた
妊娠糖尿病でも散々お世話になりました
エリスリトールは糖アルコールという種類に分類される甘味料なのですが(キシリトールも同様)、人間が消化してエネルギーとして利用できないためカロリーゼロです。
以前、思いつきでエリスリトールでブルーベリージャムを作ろうと冷凍のブルーベリーでやってみたところじゃりじゃりになり、失敗しました。
せっかくなので少し調べてみました。
エリスリトールとはなんぞや
エリスリトールは常温での溶解率は35% です。
つまり、水100gに35gしか溶けません。一方、砂糖は200%を超えます(20℃で204%)
この溶解率の低さは普通の飲み物やお菓子だと問題にはなりませんが、ジャムだとネックになります。
ジャムの糖度
『国際食品規格(CODEX)で比較すると、糖度が『65%以上であることが条件の一つとなっていますが、日本農林規格(JAS)では糖度40%以上とされ、低糖度であってもジャムとして販売されています。』
上記の通り、ジャムでは通常のものは糖度(重量に占める糖の割合)60%を超え、低糖質のものでも40%以上なので100%エリスリトールで作ると溶けきれない糖が出てきます。
なので、砂糖を完全にエリスリトールで置換してジャムを作ることはできません。
溶解率の問題以外にもネックはあります。
私はこれまであれこれ料理や菓子に利用してきましたが独特の清涼感や後味の苦味があり、ものによってはシャリシャリしてしまったり、後味が変だったりして砂糖の代用としては使えるものと使えないものがあるなあという印象でした。
これについて…エリスリトールをいろんな調理に使って官能検査をした研究がありました。
エリスリトールの甘味質と調理への応用(調理科学 25巻1号 1992)
懐かしい。こういう実習ありました。
官能検査は食べて、どれが美味しいか順位をつける検査です。食品系の研究ではよく使われる手法です。
これによると
酸味のある飲料やゼリー、糖濃度の低い惣菜ではでは完全置換でも嗜好に差はない。
アイスやシャーベットなど冷凍品は砂糖と比べて硬くなるので完全置換は不向き。50%置換なら大丈夫。
水ようかんやしるこなど糖濃度の高いものはエリスリトールでは後味の広がりが少なく口触りが悪いので40%置換でも嗜好に差がつく。20%では差がない。
ジャムについては実験されていませんでしたが、糖度が高いけど酸味が強いのである程度の置換はいけそうですが、そもそも糖度と溶解率から完全置換は無理(計算上、溶解率の問題から糖度50%のジャムで70%置換が限界)です。
今回は攻めるのはやめて水ようかんの結果を踏まえて20%置換にとどめることにしてみようと思います。
マーマレード作成レポ
神奈川県の神奈川県農業技術センターのやつ
(ページ自体は見づらいけど、食品加工のプロが書いてるガチなものなので、作業の根拠などがわかって応用がきく感じ
これは農産物加工品販売を考える人向けのプロ仕様のやり方なため、参考にしつついろいろはしょったりしてます。
下処理
くしがたに切って
果汁を絞ります。
絞った皮は両端を落として形を整えます。
ペクチン抽出のため果実の入ってた袋と種は別のボールにとっておきました。
これをお茶パックに詰めてペクチン抽出用にスタンバイ。
皮に残った白いふわふわは苦味の元なのでスプーンでこそげ取って捨てます。
こそぎ終われば皮は千切りに刻んでおきます(写真残してなかった)。
苦味抜き
たっぷりの水を沸騰させたもので皮とお茶パックを10分煮て苦味抜きをします。
ペクチン抽出用のお茶パックは1回、皮は2回やりました。
ペクチン抽出
レシピではカスの5倍の分量の水分(このうちレモン汁は1割弱)を抽出に用いています。
苦味抜きしたカス(皮の端・種・袋) が180gあったので、水分を5倍計算で
水 800ml
レモン汁 100ml
として、水から30分煮出してペクチン抽出しました。
袋ごと入れてことこと…段々とろとろに
ペクチン液595gが得られました。
いよいよ煮詰める
刻んだ皮、果汁、ペクチン液を鍋に入れて煮詰めていきます。
糖の分量ですが…
皮(157g)、ペクチン液(595g)、果汁(110g)の総重量が約850gだったので500g程度まで煮詰まると仮定して、糖度40%として糖の量は200g入れることにしました。
溶解率を考えると理論上、125g(50%)までエリスリトール置換できそうですが、今回は攻めずに20%にとどめておきました。(また、機会があればもうすこし気軽に作れるジャムで攻めてみようと思います)
砂糖 70% 140g
エリスリトール 20% 40g
はちみつ 10% 20g
で準備。
砂糖は色とすっかりさからグラニュー糖が良いらしいのですが、うちには三温糖しかないので三温糖にしました。
(はちみつは甘味度は重量計算で砂糖の1.3倍、エリスリトールは0.7〜0.8倍らしいのですが計算がめんどくさいので合わせて200gでいくことにしました)。
火にかけてことこと…
糖を3回にわけて加えて煮詰めていきました。
コップテスト
どこまで煮詰めるか…ですが糖度はプロは糖度計を使うようですが、うちにはそんなものはありません。
上の神奈川県の農家技術センターのレシピには固まり具合を見るのにコップテストをするとありますが方法書いてません💦
ググったら…わかりやすく書かれたページがありました。
まさかのZ会。
水を入れたコップに液を落としてどこまで形状を保っているかで判断。
糖度50%くらいを目安に煮詰めました。
完成
三温糖で作ってるからか色はびみょーですが、爽やかな酸味でめっちゃ美味しくできました。
エリスリトールの苦味や清涼感は全く感じないのでもう少し増やしてもいけそう。
パンにジャムはあまりつけないのでお湯に溶かしたり紅茶に入れて楽しみたいです。
ついでにワッフル作成
マーマレードの苦味抜きをしてる間にワッフルも作ってみました。
いつもはホットケーキミックスで作りますが、本格的にやってみました。
レシピはこれでやってみました
イースト菌の発酵は糖を必要とするのでパンに関しては普通に砂糖を使います。
ホームベーカリーで生地作成
型に入れて焼きます。
マネケンがあちこちにてきた頃に憧れで買ったワッフル型。多分、20年くらい前!?
てきあがり!!!
あられ糖がなかったので三温糖ですが、マネケンのようなワッフルができました❤️
楽しかったです。こういう時間は大切ですね。
以上、マニアックレポでした。