先日観に行ったメトロポリタン・オペラ
16日「ランメルモールのルチア」
19日「ラ・ボエーム」
さすがのMET!
METらしくスター歌手が勢揃いで、どちらの演目も感動ものでした。
5年ぶりの来日公演。
世界中のスターを集めた絢爛豪華な舞台を観せてくれるメトロポリタンオペラ。
しかも、今回の演目は「ランメルモールのルチア」「ドン・カルロ」「ラ・ボエーム」と
素晴らしい演目ばかり。
ずっとずっと楽しみにしていました♡
当然全演目を観たかったのですが、チケットが高額なため、残念ながら2演目で。
「ドン・カルロ」もすごく観たかった…。
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2011年6月16日(木) 6:30pm~9:45pm 東京文化会館
ドニゼッティ「ランメルモールのルチア」 全3幕
台本:サルヴァトーレ・カンマラーノ
原作:ウォルター・スコット/小説「ラマムアの花嫁」
指揮:ジャナンドレア・ノセダ
演出:メアリー・ジマーマン
美術:ダニエル・オストリング
衣装:マーラー・ブルーメンフェルド
照明:T.J.ガーケンズ
振付:ダニエル・ペルツィク
舞台監督:サラ・イーナ・マイヤース
ルチア:ディアナ・ダムラウ
エドガルド:ピョートル・ベチャワ
エンリーコ:ジェリコ・ルチッチ
ノルマンノ:エドゥアルド・ヴァルデス
ライモンド:イルダール・アブドラザコフ
アリーサ:テオドラ・ハンスローヴェ
アルトゥーロ:マシュー・プレンク
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ディアナ・ダムラウのルチア、素晴らしかったです!
圧巻の歌唱力!
それに彼女は動きも機敏で、お芝居も素晴らしい。
第3幕で、
ランメルモール城での婚礼の祝宴から一転
新郎を刺殺し白い花嫁衣装を血に染めたルチアが錯乱状態で
祝宴の場に現れる「狂乱の場」。
ダムラウはすごいスピードで階段を駆け下り、階段から落ちてみたりと
様々な動きを見せるのですが、定位置でピタリと止まり、
どんなに動いても決してブレたりはずさない音程で歌うのです。
幸福と絶望、一瞬にして変わる声と演技が見事で目が釘付けでした。
ここでは恐怖の幻覚と、愛の過去の思い出に引き裂かれたルチアの
破滅が痛々しい情景がものすごく伝わってきました。
ダムラウは生後1年に満たない息子を連れての来日だったそうです。
原発事故に伴う風評でキャンセルする海外演奏家が相次ぐ中、
大きな不安もあっただろうに来日してくれた彼女。
「音楽は薬です。ほんの一瞬でいいから気持ちに安らぎをもたらすことができたら、
来日した甲斐があります」
と、被災地の人々を少しでも力づけたいという思いを語った関連記事で読みました。
素晴らしい方です。
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2011年6月19日(日) 7:00pm~9:55pm NHKホール
プッチーニ「ラ・ボエーム」 全4幕
台本:ジュゼッペ・ジャコーザ、ルイージ・イッリカ
原作:アンリ・ミュルジェール/小説「ボヘミアン生活の情景」より
指揮:ファビオ・ルイジ
演出:フランコ・ゼッフィレッリ
美術:フランコ・ゼッフィレッリ
衣装:ピーター・J・ホール
照明:ギル・ウェクスラー
舞台監督:J.ナイテン・スミット
ミミ:バルバラ・フリットリ
ロドルフォ:マルセロ・アルバレス
マルチェッロ:マリウシュ・クヴィエチェン
ムゼッタ : スザンナ・フィリップス
コッリーネ:ジョン・レリエ
ショナール:エドワード・パークス
ベノワ:ポール・プリシュカ
パルピニョール:ダニエル・クラーク・スミス
アルチンドロ:ポール・プリシュカ
巡査部長:ジェイソン・ヘンドリックス
税関の役人:リチャード・ピアソン
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ラ・ボエームはMETらしく豪華で、音楽と出演者の一体感が感じられる舞台でした。
とくに男性陣がそれぞれにとても生き生きと楽しそうな感じがこちらまで
伝わってきましたし、第2幕のパリ市内の舞台セットはとても華やかで、
舞台を観ているだけでワクワク楽しくなりました。
METだけあって舞台にもお金をかけていますね。
品のある声で丁寧に歌っていたミミ役のフリットリは、元気な男性陣の中で
女神のような存在感があり、とても素晴らしかったです。
最終章の息絶える場面では、大人の女性から可愛らしい女性へとかわり、
そこでロドルフォ役のアルバレスの絶唱。
じんわりと込み上げるものがあり、感動しました。
この6月19日のラ・ボエームが最終公演でした。
観客からの熱狂的な拍手に、何度もカーテンコールがありましたが、
何度目かのカーテンコールのあと、もう一度幕が開き、舞台上に
メインキャストだけでなく出演者全員、スタッフ、オーケストラのみなさんが勢ぞろいし、
手を振って下さいました。
そして日本語で書かれたMETからのメッセージ。
これにはもう、感謝感激でした。
5年ぶりのMET来日公演ということで、チケットは高額でしたが、
やっぱり行ってよかった。まさに舞台は一期一会。
未曾有の災害時に本当によく来日してくれたなぁと考えると涙がでそうになります。
来てくれた出演者の方々のことはずっと忘れないと思う。
どちらも本当に素晴らしかったです。
ありがとうMET!