映画「借りぐらしのアリエッティ」は観ましたか。
わたしは公開してから間もなく観に行ってきました。
メアリー・ノートンのファンタジー小説「床下の小人たち」を基に、
古い家の台所の下に暮らす小人一家の物語が展開するジブリアニメ。
ストーリー的には何が伝えたかったのかとか、クライマックスをもっと
突っ込んだ内容にしてほしかったという感想はあったけど、
さすがジブリ映画だけあって絵や映像は素晴らしかった!
小人の世界観がすごくよかった。
人間の家にこっそり入りこんで、いろんなものを借りにいく設定や
小人側での人間の物の使い方なんかは、すごく面白かったです。
この「借りぐらしのアリエッティ」の映画美術を手掛けた種田陽平氏が、
東京都現代美術館の1,200㎡を超える展示室に映画の巨大なセットを
創ったという展示会が10/3まで開催されていました。
先日こちらを観に行ってきました。
この展覧会は、アリエッティの家を再現した展示と種田陽平展とでわかれていました。
まずはアリエッティの家の再現コーナー。
再現された家は、人間の12分の1サイズで作られた小人の世界が再現されていて、
まるで自分自身が小人になり、映画の世界に登場したかのような錯覚に陥ります。
ここに来れば誰もがアリエッティになれちゃいます!
アリエッティの部屋やリビング、水汲み場、お父さんの作業部屋などが再現されていて、
小人には絵のように大きく見える切手を額縁に入れて飾っていたり、
映画の中でも出てきた植木鉢でできた釜戸や、
サクマのイチゴ飴の包装紙が壁紙に使われていたりと、
人間の道具を工夫して使っている小人たちの生活に感心しちゃいました。
部屋の再現の後は、緑豊かな庭の再現もあり、
木のように見えるたくさんの草や、ヒマワリほどのタンポポが咲いていたり、
動物のような大きなバッタがいたりします。
それに照明で陽の光を再現していて、葉が透き通って見えたり、
露がキラキラと光って見えたりと素晴らしい造りで驚かされました。
続いては種田陽平氏の展示です。
今回の再現展示の間取りのイメージ画や、フロアプランや模型などが展示されていたり、
種田氏が手掛けた映画美術を紹介するコーナーがあり、
6コーナーにわかれた展示方法でした。
種田氏が手掛けた映画セットの「キルビル vol.1」の和風の部屋や
「有頂天ホテル」のホテルのロビー、「ザ・マジックアワー」の街角そのものという
規模の大きなセットなどの写真などが展示されていて、
実際に存在する部屋や場所を使って映画を撮ったように見えるけれど、
セットだったとは驚きました。
最後の展示は「アリエッティの世界」というテーマのもの。
あのアリエッティができあがるまでのイメージ画などが並んでいました。
イメージ画を見てみると、初期に描かれたものと最終的なアリエッティとでは
だいぶ違っていました。
髪がショートだったり、顔つきが全く違っていたりと、アリエッティとは完全に別人で、
練りに練ってアリエッティが生まれたんだということがわかります。
最後には、まるでドールハウスのような実物大の小さなアリエッティの家も
展示されていて、ここで改めてアリエッティたちの小ささを実感しました。
今回のアリエッティの家の再現は、展示会というよりは、
アリエッティの住む小人の世界のアトラクションのような感覚。
終始ワクワクと興奮の連続で、素晴らしい展示会でした。
それに、今まで知らなかったけれど、種田氏の作品をたくさん目にしていたのだと
驚きも多い展示会でした。
今回も本展示の図録購入。
小さなブックレットも2冊おまけにつけてくれました。
種田氏の大ファンになりました♡