自転車競技を知らない人から一番多い質問が、何故スタートから全力で行かないのか?

と言う質問です。


確かに速さを競う種目ですのでそのイメージがあるかもしれません、なので分かりやすく他の例で考えてみましょう。


野球のピッチャーだと、9回まで投げ切らないといけないとしましょう、その時に1球目から最後まで全てを全力投球はできないと思います、サッカーでもゲーム開始からピッチを全力で走り回り続ける事は不可能ですし、少し視点を変えて時代劇で見ると侍が立ち合いからブンブン刀を振り回していたら体力が持たないですし、相手の思うツボで、疲れるのを待って一太刀で仕留められてしまいますよね。




それを考えて今回私がメダルを獲得したスプリントの11での対戦を見ると、、

お互いが見合いながらゆっくり走っている時は、ピッチャーだったら牽制球を入れてみたり、クサイボール球で誘って見たりしている時だと思いますし、侍同士の真剣の立ち合いの時では相手が何を考えているのか、自分はどうしたらこの相手を倒せるのか先に動いたら勝ちなのか負けなのか、、等のギリギリのタイミングを見計らう張り詰めた時間です。


限られた人力で走る自転車競技、そして1日に最大12本のレースを走るスプリントではその一瞬の判断の間違えが命取りとなるのでかなり重要な駆け引きになり、人間の限られたパワーで時速70km以上で走ると最大の抵抗は風となり前走者の後ろに入れば風除けになってしまい体力の消耗に大きな差が生まれます。


写真のように選手達は風除けの為に1列になって走行しています。

スプリントにおいては自らの体力の持つポイントと相手のポイントとの駆け引きにより初めはゆっくり走りながら様子を見合って徐々にスピードを上げていき相手に風除けにされないように蛇行を繰り返しながら最後のスパートに向けて走っています。


今回自転車競技に浸かっている私たちでは気が付かなかった疑問を投げかけて貰えた事で新しい視点から見る事が出来ました、まだまだ書きたい事は山積みで、選手ですら100%理解出来ていないルールや各オリンピック種目の解説等を書いていこうと思っていますが、これを文字に起こすのはかなりの時間が掛かりそうですがオリンピックまでの期間があと少ししか無いのでとりあえず現在日本語媒体では最も詳しく美しく描かれているmore cadenceのホームページで確認してくださいww

私も出来次第アップしますのでお楽しみに♪



おしまい。