皆さんのおふくろの味は何ですか?
インターネットで調べてみると、第3位にお味噌汁、第2位は煮物
第1位は
「肉じゃが」
でした!
おふくろの味・・・
私はといいますと、
まずはじめに浮かぶのは、友達のお弁当の卵焼き。
なっちゃんのお母さんが作る卵焼きは
しっかりとした卵生地に、こんがりとした焼き目で
甘~いのです
スイーツのような卵焼きに私は心を奪われ
毎日卵焼き交換をねだっていたのでした。
(今思えばなんと迷惑な…)
さて、ドイツの人々が想うおふくろの味とはいったい何なのでしょうか。
日本のように、「おふくろの味」という観念があるのか聞いてみたところ、
肉じゃがのように
誰もが口をそろえて答える定番!的なものはないようですが、
「Grünkohl/グリューンコール」というケールを豚肉で長時間煮込んだ
冬の料理や、
「Milchreis/ミルヒライス」お米をミルクで甘く煮たデザート、
「Linsensuppe/リンゼンズッペ」などという回答が。
ということで!
今日はドイツのおふくろの味、
「Linsensuppeリンゼンズッペ」をご紹介します!
「Linsen/リンゼン」はレンズ豆。
「Suppe/ズッペ」はスープです。
寒い季節はとっても体が温まって、栄養満点、
優しい旨味の効いたドイツ家庭の定番料理
レンズ豆。
和名では「平豆」、英語では「Lentil/レンティル」です。
原産はアジア西南部から地中海東部で、はるか2000年以上前から栽培されていたという
歴史深いお豆さん。
日本で普及している豆たちよりもサイズは、はるかに小さく、
直径数ミリ程なので、火で長時間煮込むと形もなくなりトロトロに
イタリア、フランス料理や、インド料理では定番の素材として使われており、
特に煮込み料理にはもってこいです
又近年は、ベジタリアンやヴィーガン料理でも、肉の代替として使われています。
(ひき肉の代わりとして)
赤(オレンジ)、緑、ブロンド、黒など種類も様々で
硬さや味が微妙に違うため、料理の用途によって使い分けられています。
レンズ豆の素晴らしい特徴
その一。
通常、豆というと一晩水に浸しておいて、
調理する前には一度茹でなければいけませんが、
リンゼン豆の場合は、乾燥状態でも、
洗ってそのまま調理にかかることができます
その二。
何といっても栄養素!!
・豊富なビタミンB群
疲労回復、脂質や糖質をエネルギーに変えてくれたり、
葉酸も含まれているため、貧血予防の効果も期待できます。
・たっぷりの食物繊維!
コレステロール値を下げてくれたり、便秘解消、老廃物排出デトックス効果を発揮!
(食べた後、お腹が張るかもです)
・美容にも欠かせない鉄分!!
シミやシワを防いでくれる必須要素
・レクチン
芋類や豆類に含まれるレクチン。
免疫力を高め、風邪や病気から守ってくれます
そして三大栄養素の一つであるタンパク質!
プロテイン=鳥の胸肉
といわれますが、驚くことに同量の胸肉よりも
レンズ豆には高い値が
レンズ豆で摂取するタンパク質は植物性。
脂質をほとんど含んでいないのでダイエット中の方でも安心して食べることができますね
ということで、長くなりましたが
レンズ豆のご紹介はそろそろお開きに致しまして、
「おふくろの味」へ戻ります!
世界中で愛されるレンズ豆を使った
おふくろの味、リンゼンズッペ。
レシピはといいますと、
レンズ豆、玉ねぎ、少量のニンニク、じゃがいも、にんじん、セロリ、ベーコンにソーセージ、
味付けのスパイスやハーブに、飾り用のパセリ。
材料は基本的なスープの具材ばかり
レンズ豆は輸入食品店や業務用スーパーなどで並んでいるそうです。
調理法は具材を切って水で煮るだけ
最初に肉類とお野菜を炒めてから煮るほうが
味にコクがでるような気がします。
お野菜が徐々に柔らかくなってきたらレンズ豆を入れてじっくり20分~30分程煮込み、
塩コショウや、タイム、ローズマリー、バジルなど、乾燥ハーブで味をととのえて
出来上がりです♪
ベジタリアンタイプ(肉類無し)も、あっさりとしていけると思います
(※ベジタリアン版のスープは肉の旨味が出ないため、
コンソメなど、出汁となるものを入れてください)
素朴なレシピなので、
ドイツといったらあの料理よね!
と話題に上がるような存在ではありませんが、
一口食べると、ジワ~っと心が温かくなってホッとする、
優しいスープ
肉じゃがの味が甘い家庭もあれば醤油味の濃い家庭もあるように、
レンズ豆スープも煮込み時間や味付けによって仕上がりも様々。
幼い頃から食べてきた我が家のLinsensuppe。
お母さんの味が、懐かしい思い出と共に、ひとりひとりの記憶に存在しているのでしょう
☆☆☆☆☆今日のドイツ語☆☆☆☆☆
「So wie bei Mama/ゾーヴィーバイ ママ」
=お母さんの○○。
例 Das schmeckte so wie bei Mama.
これ、お母さんが作ったのと同じような味がする。