気付けばシアヌークに住んで、もう半年になる。
のんびり暮らしているようで、毎日いろいろな事があって、
シェムリアップに住んだ半年間より、早々と過ぎていったきがする。
そして最近、仲間がこの場所を出て行く話をよく耳にする。
4月は乾季の最後の月。
旅を続ける人、自分の国へ帰る人、
それぞれの目的を持ち、来月には旅立っていってしまう。
シアヌークは人の入れ替わりが激しいとよく聞いていた。
こうやって、私と同時期になんとなく住み始めた彼らは、
なんとなく出て行くのだろう。
「なんでまだここに住むの?」
「他の国に行きたくないの?」
そんな単純な質問に、真剣に自問自答してしまう。
なんで好きかなんて説明できないけど、ここで生活したい気持ちは半年前と
何も変わってない。
私はまだまだ、この場所を離れられないみたい。
本気で嫌気がさすまで、ここにいたいと思う。
今までは、いつも自分が旅立っていく立場だった。
初めて残されるほうの立場になってみて、
心にぽっかり穴があいていくような、そんな心境を感じてる。
いつかそんな別れにもなれてしまうのかな。