ブログデビュー4700日目。
今まで50年間、怪我や大きな病気一つしたことがなかった自分に、ある日突然入院するような病気が降りかかって来るとは思いもよりませんでした。1月下旬に腰の違和感を感じ、数日後には立っても座っても寝てもいられないほどの激痛で整形外科へ。レントゲンの結果特に目立った異常はなく、痛み止めの薬で様子を見るも改善せず。結石も疑い泌尿器科でも診察を受けたが異常なし。二週間後、別の整形外科にて再度レントゲンを撮るが最初の病院と同じ診断。ただ念のため受けたMRIで、癌の疑いありとの診断で、紹介状を携え総合病院へ。CT等の精査の結果、幸い癌ではなく化膿性脊椎炎(化膿性椎間板炎)と判明したものの即日入院。その日から3週間、人生初めての入院生活を送りました。
経験した通り、この病気は脊椎腫瘍(癌)との見分けが難しく、また、ただの腰痛だと思い正しい治療を受けるのが遅れると大きな手術が必要になり、更に細菌が心臓に達して全身に回ってしまうと、敗血症などの重篤な状態に陥ることもあるそうです。
診察の一つの指標として、血液検査による「CRP値」があるのですが、半年前の定期的な健康診断では正常の値だったのに、入院時は30mg/dL以上(!)と健常者(0.30mg/dL以下)の100倍の異常値を示していました。調べてみると「検査値の達人」というページでは「0.4~0.9mg/dLは軽度で、アトピー性皮膚炎や軽い風邪などでも出る値です。1.0~2.0mg/dLは高熱、ウイルス感染症、ひどい火傷などで出る値です。2.0~15.0 mg/dLは中程度で、透析や糖尿病、細菌感染、重度の外傷などが考えられます。15.0~20.0 mg/dLは重度で、関節リウマチ、肺炎、悪性リンパ腫などが考えられます。敗血症などの重症感染症の場合も極めて高い値になることが多く、注意が必要です。」とされています。30mg/dL以上なんて、それこそ体は緊急事態。癌ではなくホッとしていたところ「即入院」と言われ、「どうして?」とその時は納得できなかったのですが、今思えば一日でも早く入院できて幸運でした。
ただ、人生初めての病気を経験した今、思うのです。人間って、そう簡単には死なないものだと。起き上がるのも手順を間違うと激痛でそのままベッドに倒れ込んでしまい、電動ベッドで上半身を起こしても痛い、食事をするのにも痛くて両肘で体重をいなしながら座っているしかなかったり、痛み止めが効いているうちになんとかトイレやシャワーを浴びていた自分が、手術もせずに2週間の抗生剤点滴とその後1週間の経口での服用で退院でき、2か月間通院しながら引き続き抗生剤を服用した結果、問題のCRP値は健常者のそれに戻れたのだから。
と同時に、こうも思うのです。人間って、簡単に死んでしまうのだな、と。逆説的かもしれませんが、今まで健康そのものだった自分があっけなく病気になるのだから、普段から健康に注意していても致死的な病気になる可能性はあるし、病気以外にも事故や天災等、生命を脅かす要素は身の回りに常に存在する。
つまり、命のコントロールは自分では完全にはできないのです。だとしたら、日々すべきことはごく当たり前のことしかありません。
・毎日を悔いなく生きること。
・今日会う人とは一期一会であると思い、誠実に正しく接すること。
・親孝行をすること。
特に最後の「親孝行」について。私は今回、癌の疑いありとの診断から始まったので、大した親孝行をしないうちに最大の親不孝をしてしまうのが申し訳なく、また、とても悔しく思いました。そして、癌ではないと判明した時に自然と流れた涙は、親不幸をしないで済んだ安堵感からでした。
親に対する子の最後の役割は、自分が喪主となり親を送ることです。近年の「終活」ブームを紹介した番組等で「子供達に迷惑をかけたくない」とする親御さんのインタビューが流れることがありますが、親の葬儀を出すこと、親を送ることを迷惑と思う子供などいるのでしょうか?
生んでくれた恩、育ててくれた恩。そんな多くの恩を、最後にお返しするのが親の葬儀。決して迷惑だなんて思わないで下さい。
今日も無事に過ごせました。
この一瞬、この命に感謝。