長男の工作歴は長く、特に幼児期は1日に1作品は必ず作っていた。5歳になる頃にはごく普通にプラモデルを作り、高校生になった今も、とにかくいつも何か作っている。そんな彼の小学生時代、私は彼の工作も絵も一度も手伝ったことがなかった。それは何というか、クリエイティブな感性の持ち主の彼に対する私なりの敬意の表し方だったのだけど、本人にそれが伝わっていたかどうかはわからない。とにかく、親御さんが手伝ったであろう作品が数多く並ぶ中、うちは長男なりの力作を出し続けた。そして、中三の夏休みには市内の科学工作で賞を取ってきた。チェビシェフリンク機構を自作した歩く扇風機だった。扇風機が歩いて行ってしまうという馬鹿らしさはさておき、その歩く機構部分がとにかく細かく、その全てをアイスの棒で作るといういかにも手作り工作感の溢れた作品だった。あれは義務教育の最後を飾るに相応しい彼の作品だったと思う。

 

そして、今夏、小5の次男の工作はガチャガチャを作ることなのだけれど、面倒見の良い長男は次男のために展開図まで用意して、それを次男が切り出すという合作だった。次男に関して言えば、私も何度も工作を手伝っているのだけど、今年は長男がそれを引き受けてくれた。子育てはその子その子に合ったやり方があるのだと思う。次男には何が何でも自分で作る!というような気概や粘り強さはない。しかし、兄のことは大好きなのできっと一緒に作れることは喜んでいるだろうと思う。そして、今日次男の工作を手伝った長男は、明日は秋葉原の工作室に行くというのだから、まったく本当に筋金入りの工作好きだなと思う。