昨日、日曜日の午後、久しぶりにロンドン市内へ主人と義妹の上の男の子(甥っ子)とクラシックコンサートに出かけてきました。

 

朝からかなり雨が降っていたので、電車と地下鉄を乗り継いで雨を避けるしかないかなあと思っていましたが、私達が出かけた時は雨が止んでくれて。

 

 

Victoria (ヴィクトリア)駅で下車して、コンサート会場の最寄りの駅のSloane Square(スローン・スクゥエア)駅まで地下鉄で行く予定を変更して、Battersea Park(バタシー・パーク)駅で下車して、そこから会場まで歩いて行きました。

 

 

写真は甥っ子と主人。主人がChelsea Bridge(チェルシー・ブリッジ)で立ち止って、そこから見える景色の説明をしているところ。

 

 

甥っ子は今15歳。彼の弟が重い自閉症というのは何度か書いたことがありますが、お兄ちゃんの彼も自閉症と小さい時に診断されて、なかなか大変だった時期があります。

 

 

11歳ぐらいまでだったか?突然豹変して、思わぬことをやらかして、何かに憑かれたように笑い出したり。。。

 

 

学校も何度も変わりました。普通の学校の特別のユニットに入ったものの、そこでは対応できないと言われて、他に移ったり。

 

 

でも徐々に変わってきて、ここ何年かは目を見張るような変化を遂げて。

 

 

音楽が好きで、才能を発揮して、日本でも人気がある少年合唱団に入って、2年前から時々その合唱団で海外に行くようにまで。

 

 

性格もとってもよくて、英語で言うとsweet(スィート)な彼。

 

 

この年にしては珍しいくらい素直で、とっても丁寧に人と対応できます。

 

 

自閉症と一口に言っても、弟とは全く違うタイプで、昔から人が大好きで、家族と出かけるのも大好き。

 

 

そんなに面白くも無い主人と私と出かけるのをとっても楽しみにしていてくれたそう。

 

 

行った先はCadogan Hallであったこちら→ のコンサート。

 

 

才能あるティーンエイジャーのオーケストラの演奏でした。

 

 

予想通り、オーケストラのレベルは高く。

 

 

このコンサートを選んだのは、数週間前の夜、Dorking(ドーキング)のアマチュアのオーケストラの公開リハーサルを聴きに行ったのがきっかけ。

 

 

Dorking Philharmoniaというオーケストラで、リハーサルで、エルガー作曲、交響曲第一番を聴いて、正直なところ、上手いオーケストラではないのですが、それでもテクニックを超える情熱、光る音楽性、そして曲の素晴らしさを十分に味わうことが出来て。

 

 

北ロンドンに住んでいた時は、頻繁にコンサートに行っていた私達でしたが、ここのところすっかりご無沙汰(この甥っ子の少年合唱団と聖歌隊の歌を聴きにいくぐらい)だった、生で聴く音楽の魅力にまたすっかり引き込まれて。

 

 

この曲にも大いに魅力を感じて、また聴きたいと思っていたところにこのコンサートの情報を主人が見つけて。

 

 

甥っ子をコンサートにずっと連れて行きたいと言いつつも、普段はたくさんの音楽の習い事が忙しい彼とはなかなかスケジュールが合わず。

 

 

ハーフターム(学期の半分ぐらいのところで、こちらは1週間お休みがある)最終日の日曜日、いつもの聖歌隊の練習もイーブンソングもお休みだったので、やっと念願が叶いました。

 

 

お目当てだったエルガーのこの交響曲は最後に演奏されたのですが、やはりこの日のハイライトでした。

 

 

他の曲も良かったのですが、こちらを聴いてしまうともう他の曲は完全にこの影に隠れてしまう程の存在感と音楽性の高さ。

 

 

エルガーは日本ではすぐに「威風堂々」や「エニグマ変奏曲」で「ああ、あの」と分かると思いますが、実は他にもたくさん素晴らしい曲を残しています。

 

 

私も日本にいる時はエルガーはそれ程聴いていませんでしたが、イギリスに住むようになってから、主人と一緒にコンサートでエルガーを聴く機会がかなりあって、その「イギリスらしい」音楽(よく聞くとブラームスやその時代の作曲家との共通点も分かるのですが)が好きになりました。

 

 

甥っ子もオルガンのグレードテストでエルガーは弾いたことがあったそうですが、こちらは初めて聴いたものの、メインの旋律がアレンジを変えて繰り返され、周到にクライマックスに向けてテンションが積み上げられ、一気にクライマックスに向かう、エキサイティングな曲で、楽しんだようです。

 

 

帰りはVictoria駅からの電車がかなり遅れたり(途中で電車の故障)というイギリスならではのアクシデントはあったものの、甥っ子が一緒だったので、そんな電車の旅も楽しいお喋りであっと言う間。

 

 

今日、義妹から「昨日はAをコンサートに連れて行ってくれて、どうもありがとう。ものすごくコンサートを楽しんだみたいで、ずっとその話ばっかりしているわ」とお礼のテキストが送られてきました。

 

 

私達も彼が一緒だったお陰で、いつも以上に楽しんだコンサートでした。