日曜日もいいお天気に恵まれ、
午後からは義妹のご主人と下の男の子と
Headley Heath(ヘッドリー・ヒース)の駐車場で
待ち合わせをして。
一緒にウォーキングを。
義妹の二人の息子達は
自閉症と診断を受けていますが、
上の子と下の子の症状は全く違います。
上のお兄ちゃんは
子供の時から人が大好きで、
典型的な自閉症とは違います。
そして小さい時は色々と大変だったのですが、
何年か前から変貌を遂げて、
随分と楽になりました。
下の子の方が症状が重く、
人の目を見ることを避け、
適応性、柔軟性に乏しく、
年齢が上がると共に身体も大きくなり、
だんだん難しくなってきました。
上手く言葉で表現できなかったり、
急に叩いたり。
コミュニケーションを取るのが難しく、
何を考えているのかが分からず、
どうしたらいいのか分からないことがあります。
でも、今回はこの子の行っている学校のすぐ近くで、
学校でもよく行っている場所。
主人と私を含めて4人だけということもあってか、
普段よりも落ち着いていて、
長い距離を歩くことが出来たことに驚きました。
途中、手を繋いで歩いたり。
先に池があるのを知っていて、
石を拾ってポケットに詰めて、
池に着くと石を投げ入れるのを楽しんだり。
このポカポカ陽気と周りの自然の美しさ。
甥っ子とのウォーキング、
特別ではないかもしれないけれども。
久しぶりに穏やかな時間を
共に過ごせたことが
しみじみと嬉しかった日でした。
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Highgate編の続きです。
まだ大家さんご本人(ご主人)のことについては
書いていませんでしたね?
大家さんは私が入居した頃は、
ソーシャルハウジングについて
(住宅建築組合や地方自治体が
低価格で賃貸、売却する住宅供給システム)
専門とした雑誌を作っていて、
小さなオフィスを持っていました。
ご自身のことはジャーナリストと
おっしゃっていました。
実は大家さんの亡くなったお父様は
とても有名な歴史家。
19世紀~20世紀のヨーロッパの外交が
専門とのことでしたが、
専門以外にも手を広げて、
多くの本を出版。
そしてテレビ出演で
更に人気を博したとのこと。
オーストラリア人のハウスメイトのKから
その話は聞きました。
オーストラリアでも
昔テレビで大家さんのお父様が話をされるのを
何度も観たことがあったそう。
人気の秘密は誰にでも分かりやすく伝える語り口、
そして原稿も無しに、
毎回、時間ピッタリに話し終わる
(当時は生放送)ことが出来る驚異的な才能。
時計を見ないでも時間配分が出来たという話を
大家さんに聞いたことがあったと思います。
お父様は3回の結婚をされ、
大家さんはお父様の
最初の結婚で生まれたとのこと。
確かお母様はピアニスト。
お父様と別れ、
お父様が再婚をした後も同じ家に住んでいたり、
関係性がずっと続いたという不思議な関係。
実はこの家にはたくさん本棚があって、
2階から3階に行く途中の階段の脇の壁には
作り付けの本棚があり。
そこに大家さんのお父様の自伝も。
チラリと読んだことがあります。
それによると大家さんのご両親の関係、
そしてお父様のご両親のことを読むと
なかなか複雑な人間模様。
大家さんはインテリ家庭で
育っただけのことはあり、
(パブリックスクールに行き、
大学はオックスフォードかケンブリッジか
どちらかだったと思います)、
文化的なバックグラウンドを感じる会話をされて。
文学、アート、音楽に
並々ならぬ興味をお持ちでした。
ただし、とても曖昧模糊として、
混乱しているのかなあという感じが
時折、ある方でもありました。。
育った環境だったり、
結婚相手の奥さんが感情の起伏が
激しいところがあったためか。
何かそれをやり過ごすために
そういうふうになったのかなあと
思ったことがあります。
この家に住むと決める時に、
付き合っていた主人が
時々この家に遊びに来ることがあるけれども
それは問題ないか尋ねました。
部屋に泊るとかそういうことではなくても、
大家さんによっては部屋に誰かが遊びに来るということ自体
(特に異性の友達)を嫌がり、
予めそうしないで欲しいと言う人もよくいるので。
聞く前からここは大丈夫そうだというのは
分かっていましたが。
礼儀として、ハッキリとさせておいた方が
私にとっても大家さんにとってもいいだろうと思ったので。
(今、思えば、こんなことよく聞いたなあと
自分に驚きますが。。。)
あっさり「もちろん」との答え。
ここは本当にリラックスしていて。
お友達が突然泊ることになった時も
全然気にせず、大丈夫でした。
でも、間借りの場合は
他にもシェアしている人がいたり、
光熱費のこともあるので。
大家さんによってはそういうことを
一切禁止しているのも珍しくはありません。
もしくは申請して、
一泊幾らというふうに
お金を払わなくてはいけないというケース
(これは以前のFinsbury Parkの所がそう)もあります。
ちなみにその前に住んでいた
Finsbury Parkよりも広い部屋。
台所付き、
ハウスメイトと一人とトイレ、シャワーのシェア
(といってもKは週末はいないので、
ほとんど私が一人で自由に使っている感じ)でしたが、
家賃はこの家の方が安かったのです。
私がこの家のベースメントフラットに
主人と後に移り住んだ後。
私が住んでいたこの3階の部屋には
何人もの日本人の女性が入れ替わり住みました。
ビザの関係で、半年だったり、
長くても1年ぐらい住む女性が多く、
何人かとは話をしたことがあります。
感心したのは、
大家さんご夫妻が
この国にまだ新しくて
慣れていない女性の場合は、
親切に近くのハムステッド・ヒースに
連れて行って案内したり、
夕飯に招待したり。
時には私達を紹介するために
一緒に招待してくれることもあったり、
気遣いをしてくれていたこと。
プライベートは尊重し、
細かいことは一切言わず、
ほおっておいてくれるのに、
そういうことには気が付いてくれているのは
いいなあと思っていました。
私は残念なことに(?)
主人と付き合っていたので、
その必要はないとみなされたようで。。。
でも時々英語の面白い言い回しを
教えてくれたり。
そういうのが嬉しかったりしました。
大家さんは何年か前に引退し、
ビジネスも売却。
年に奥さんと何度も旅行に出て、
悠々自適の引退生活を満喫中。
引退後もジャーナリストという経歴を生かして。
ローカルのフリーペーパー
(さすがに文化的なエリアなので、
無料と言えども文学、アート、音楽、シアターの
セクションの内容が充実)の
ミュージック、ジャズイベントの
批評を書いています。
大家さんの話によると
自分が行きたいコンサート、
イベントを選べるそう。
それが書く事の交換条件
(お金ではなく、チケットをゲット)。
それで、値段の高いオペラを選ぶことが多いと
半ば冗談めかして話をしていました。