先週のことですが、
BBC4 で今年何度か再放送されている
シンガーソングライターのニール・セダカの
ドキュメンタリーをようやく観ることが出来、
大いに刺激を受けました。
特に彼のファンというわけではありませんし、
彼についても実はよく知らなかったのですが。。。
たまたま何ヶ月か前に、同じくBBC4で放送された、
彼のショーの番組を観た時に、
「実はこんなにたくさんヒット曲があって、
気がつかない内に彼の作った曲が耳に入っていた」ということに驚いて、
このドキュメンタリーに興味が出たのですが、
いつも見逃していました。
子供の頃から音楽が大好きで、
並々ならぬ才能を見せ、奨学金を得て、
ジュリアード音楽院のプレカレッジでピアノを学び、
かの有名なピアニストのルービンシュタインも
その才能を認めるところだったそうです。
さて、そんな彼がその後ポップミュージックに目覚めて、
クラシックからポップスの世界に移行し、
60年代初めに数多くのヒット曲を生み出します。
ところが、その後、イギリスからビートルズや
ローリングストーンズの人気が
アメリカでの瞬く間に広がったことで
一夜にして彼の歌は古臭いものになってしまいます。
(彼だけではなく、人気を誇っていた
他のポップミュージックの歌手達も表舞台から消えていきます)
そして、それまで築いたもの
ロイヤリティーも含めてを
あろうことか当時彼のマネジメントをしていた
母親と母親のボーイフレンドに使われてしまい、
お金がなくなり、大変な時を迎えます。
アメリカでの仕事も恵まれず、
でも食べていかなくてはならず、
それまでの華麗なキャリアからは
考えられないような仕事もやったようです。
彼の自伝を書いたライターによると
「カナダのモントリオールのクラブで
たった12人の観客の前で
パフォーマンスをしたこともあった」と
インタビューで語っていたので、
その転落振りは相当だったようです。
知人の勧めで
イギリスで仕事をすることにして、
イギリスに家族で移ります。
でも、イギリスでの仕事といえば、
北部の工業地帯にある
ワーキングメンのクラブのドサ周り。
それでも彼は諦めることなく、
曲を作り、歌い続けます。
いくつかの幸運も味方して、
再び、イギリスで返り咲き、
その後、アメリカでも
またヒット曲を出すことが出来ます。
それからしばらくして時は
シンガーソングライターが持てはやされる時代に入り、
追い風も吹きます。
当時、イギリスのポップス、
ロックグループの影響下でも
生き延びることが出来たアメリカの歌手達とは
ニール・セダカとエルビス・プレスリーぐらいだったと
とある本に書いてありました。
ということは、彼が返り咲くことが出来たのは
並大抵のことではなかったはず。
だからこそ、ニール・セダカが
当時の話を語るのを聞いて感じたのは
「成功する人」の要素が全てここにありと。
とことん自分の才能を信じていること。
音楽を心底愛していること。
自分で自分を駆り立てて続け、
決して諦めることはなく、継続したこと。
他のヒット曲の要素の研究も怠らず、
変化することも厭わなかったこと。
イギリス人の夫からすると
アメリカ人の有名人によくある
ちょっと大げさなぐらいのポーズ
(大げさににこやかで、
本当は違うのでは?というような感じ)と
いうふうにしか映らないようですが。。。
当時の様子をニコニコと楽しげに語る彼の姿に
私は感銘を受けました。
大変だったことは色々とあったはずなのに
悲壮感は全くなく、
全てを可笑しげに語る姿に。
ドキュメンタリーは、
Neil Sedaka - King of songというタイトルで、
Youtubeでも観られるようです。
※追記:リンクを貼っていましたが、残念ながら
観れなくなっていました。
Neil Sedaka Life storyで一部を観れます。
(英語です)