日曜日に久しぶりに義弟家族達と午後から公園にお散歩に出かけました。

 

写真のレイクランド・テリアの子犬も一緒に。散歩の後、車の中のケージに入れられて、大人しくして、子犬の割にはお行儀がよくてびっくり。

 

義弟の奥さんは子供の時犬を飼った経験はあるものの、義弟と子供達にとっては犬を飼うのは初めての経験。

 

毎週、週一回近所であるドッグトレーニングのクラスに義弟が代わる代わる子供達を連れて、参加しているそうで、その真剣さが伺われます。

 

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ロンドン暮らしがもう少しで一年が経つ頃。春休みに一人旅をすることにしました。

 

ヨーロッパのどこかに数日。値段もそんなに高くないものをと思ったのですが、ギリギリに決めたので、飛行機のチケット、ユーロスター等、予約が取れるものも限られて、結構な値段。

 

それで、仕方なく。。。パリに行くことにしました。それもユーロスターではなく、飛行機で。その選択肢しかなかったのです。

 

仕方なく。。。なんて、今だったら絶対にそう思いませんが、その時はパリのことなんてちゃんと知りもしないのに、人気があるからというだけで行くのにどうにも抵抗がありました。

 

慌ててガイドブックを手に入れて、行く直前、飛行機の中でチェックして、大まかどこに行くかを決めるバタバタぶり。


 

時期はちょうど4月の初めでしたが、お天気に恵まれて、5月の初夏のような暑さでした。

 

空港からバスで街の中心まで出てみて、感動したことが「パリという街そのものがアート」ということ。

 

これなら、偉大な芸術家達が生まれる土壌が街そのものにありと納得しました。

 

ロンドンに比べるとパリという街の景観の素晴らしさは比較にはなりません。

 

残念ながら、ロンドンは高層ビルに関するタウンプランニングのポリシーが甘く、いまや何の統一性も見られない高層ビルが並ぶ姿、
スカイラインにはショックを受けます。

 

かつては聖ポール寺院が長い間ロンドンのランドマークだったそうですが、周りの高層ビルに囲まれて、その存在は影を潜めています。


 

私はフランス語は話せませんが、簡単な言い回しだけは覚えていきました。フランス人は英語は話してくれないからと聞いていたので。

 

でも、そうでもありませんでした。ここぞという困った時にはフランス人で英語が話せる人がいて、何度か助かったことがあります。

 

セーヌ川を眺めながら歩いた新緑が輝くマロニエの並木道。

 

幾つもの美術館、ギャラリーを梯子して回ったこと。

 

美味しいチョコレート屋さんを見つけたこと。

 

手作りの美しい皮のバッグを買ったこと。

 

ゆっくりとカフェのテラスでコーヒーを楽しんだこと。

 

そして日本に住んでいた時、大好きで着ていたコリーヌ・サリューの洋服。彼女のブティックを訪れたこと。

(彼女はデザイナーとして引退して、もうブティックはないそうですね)

 

2泊3日の滞在でしたが、存分にパリの街を楽しみました。


 

でも、一番私がこの旅で楽しんだのは、一人旅の醍醐味

 

日本を離れた時、日本が嫌いで離れたわけではありませんでしたが、どこかでこのままで居続けてはいけないという自分の中の疼きがありました。

 

もう10年以上も前のことなので、その時のことを詳しくは思い出せないのですが、多分、それまでの「仕事に自己証明を見出していた自分」
それがアイデンティティのようになっていたことに。


ただし場所をイギリスという所に移してからもまだその部分は私と共にありました。


 

でも、一人で旅をしている時にそうしたものを一旦解き放ったような感じがしました。

 

あたかも、その旅で一旦リセットしたような感覚というのでしょうか。

 

旅の初めは、どこかモヤモヤとした何かが自分を覆っていたのですが。。。

 

旅をしていく中で、初めての場所に立ち、行く場所を決めるのは自分。

 

そして地図を広げて、場所を自分で探し当て、時には人に聞きながら、最終的には目的地に辿り着く。

 

色々な感情がわいてきたり、問題が起きても、それを一つ一つ乗り越えて、解決して、次へと進む。そうすることで辿り着く。

 

その繰り返しにふと「ああ、人生とはまさに旅のようなものだなあ」と深く感じ入って、そのことで、自分の中で深く癒されるような感覚がありました。

 

あれから一度もパリを訪れていません。

 

また一人でいつかフラリと戻りたいと思っています。