気功整体師が見た、テレビでは流れない東北復興の真実とは(照) | ジコチューなともかさんの、ワンダフルな結婚生活とつながりの有る日々

気功整体師が見た、テレビでは流れない東北復興の真実とは(照)

先日、宮城県の南三陸町に3名でおじゃましてきました。
ショックを受け、無力感を感じ、考え込み、楽しさありがたさ
も感じた2日間。
順を追ってシェアさせてもらいます。

(1)南三陸町の被害
宮城県の南三陸町は、東北被災地の中でも特に津波の被害が
大きい地域です。
建物の7割、鉄骨のみ残った「防災対策庁舎」・役場や病院・
警察など公的施設も津波で流されました。
今回のレポートは南三陸町で見聞きしたものであり、地域に
よって当然違いがあると思います。


(2)訪問の経緯
「震災から一年以上経った東北の”生の”現状を見たい。
見せてもらったものを発信したい」
「仮設住宅でマッサージ・ボランティアをさせてもらいたい」
という思いから始まりました。

連日、窓口を探すものの、はかばかしい結果が得られなかった
のですが、訪問一週間前に「ふんばろう東日本」の宮城支部・
小関勝也さん、「南三陸町・志津川復興支援団」の鈴木豊和さん
と知り合うことができ、お二人のご尽力のおかげで、仮設団地
集会所へのマッサージ訪問が実現することになりました。


(3)初めての南三陸町
南三陸町は山深く、海は波が穏やかで美しく、空気がのーんびり
していて思わず「いい所やなあ~!」と声が出ました^^

ジコチューなともかさんの、ワンダフルな結婚生活とつながりの有る日々-美しい海

ジコチューなともかさんの、ワンダフルな結婚生活とつながりの有る日々-鳥


宿泊したホテル観洋(←素晴らしきホテルです!)絶景露天風呂
$ジコチューなともかさんの、ワンダフルな結婚生活とつながりの有る日々-絶景露天風呂


(4)美しい景色のその先
その美しい景色を車で進んだ先には、こんな風景が広がって
いました。

(建物の上に乗った船)
$ジコチューなともかさんの、ワンダフルな結婚生活とつながりの有る日々-船


(車と、波で赤茶けた樹)
$ジコチューなともかさんの、ワンダフルな結婚生活とつながりの有る日々-車

(崩れ落ちた建物と荷物の山)
$ジコチューなともかさんの、ワンダフルな結婚生活とつながりの有る日々-崩れた建物

(津波に流された後に広がる大地)
$ジコチューなともかさんの、ワンダフルな結婚生活とつながりの有る日々-大地


報道で見る「復興」、頭の中の「一年以上経っている」
イメージとは遠い、手つかずの情景が広がっていました。
高台の住宅の建設など最優先の事項がある。
海沿いの、地盤沈下もある土地の活用方法を見出すのは
むずかしい。そう推察します。

という事は、この場所は『衝撃と喪失』の象徴として存在
しつづける。
この情景を毎日見続ける人たちがいる。
私達は『何一つ言葉が出てこない』状態で立ち尽くして
いました。


(5)仮設団地集会所へのマッサージ
翌朝、チラシを見た皆さんが三々五々集まってくださり、
マッサージ開始。
お体がカチカチに固まっている方が多く、ショックやストレス
の大きさが伝わってきます。
震災当時のこと、今必要なこと、お気持ちなど。皆さんに加え、
区長さん、スタッフさんが暮らしの現状を教えてくださいました。

★先の生活の目処が立たない。
⇒今の仮設住宅は2年の期限で、さらに高台の住宅に移設の
予定。高台には土地が充分ある。
ただし、土地の扱い、土地の調査、集団の移住のための合意形成
など様々な事情により、現実的には2年での移設は難しい。

★「やりがい」「朝起きてやること」「気晴らし」がない生活
⇒仕事(農業、漁業)の再開の目処が経たない方が多い。
田畑ごと流れてしまい、ちょっと畑を耕すこともできない。
団地が高台にあるため、高齢者の方は買い物に行くのも、
気晴らしに出かけるのさえ難しい。

★パーソナルスペースがない/孤独感
⇒一つの施設に大勢が暮らす施設では、パーソナルスペースが
ないストレス。
狭い場所、配布された柔らかい低反発マットで寝るため、
ひどい腰痛が出ている方もおられます。
逆に、仮設団地の個室で暮らすものの、家族や知り合いと離れ、
孤独感から部屋に引きこもる方も多い。

お聞きしながら、とてもやるせない気持ちになりました。

(6)あったかい時間
とても楽しい、あったかい時間も過ごさせてもらいました。

(マッサージ風景)
$ジコチューなともかさんの、ワンダフルな結婚生活とつながりの有る日々-マッサージ


どうも、東北(特にご高齢)の方に対して「内気で奥ゆかしく
遠慮がち」という勝手なイメージを
持っていたのですが、オープンマインドな方々ばかり。
先にマッサージを受けてくださったおばあちゃんが、
他の皆さんに大声で宣伝してくださったり、「暖かかった」
「スッキリしたよ」「またきっと来てね」などの暖かい言葉や
握手。
差し入れまで頂戴して、わたし達が元気付けられてしまった
じゃないか!(笑)

手作りの蒸しパン、おいしかったなあ。
栄養ドリンク、染みたなあ。
吉本の芸人より面白い奥様がいて、みんなで大笑いした・・。
マグロ漁船で世界の海を回っていた方もいて、もっともっと
皆さんのお話を聞きたかったです。

(7)さんさカフェで絶品ランチ
さんさカフェWEBサイト
日経新聞の記事

仮設団地の後は、さんさカフェで、絶品カレー(500円!
ありえない安さ&美味しさ)を食べた後、スタッフの方を
マッサージ。
ここでもお話を聞かせていただきましたが、特に印象深かった
のは2つ。

★「既に会社・事業を再開している方」と、「資金不足・
ご年齢から再開を諦めている方」に分かれる。

★規模の大きい仮設団地にはボランティアの来訪が多いが、
今後は規模が小さい団地こそ人が集まってほしい。

(スタッフの高校生Yちゃんと、ワンピースの好きなキャラを
熱く語り合ったことは秘密にしておこう・・・)


*****【ココからまとめ】*******

南三陸町での濃密な2日間、感じたこと、考えたことの
まとめです。

●素朴で情に厚く、欲張らず、地道に働かれていた東北の
皆さんが日本の代表として、毎日直面している不条理な現実。
この現状を前にして、マッサージに行くくらいしかできない
「ちっぽけな自分」をはっきり認識した。

●最優先で必要なもののひとつは現金。
住居建設費用、生活再建、復業、県外への引越などのお金は
まだまだ足りないと感じた。

●全国の人が駆けつけるようなイベント(阪神淡路大震災の
後のルミナリエのような)で多くの人、お金が東北に集まる
といいなと、これは自分勝手な感慨。

●現地では、熱意を持ち、機動力を活かして動かれている方々
に感銘を受けた。
その分、そうした人・組織をつなげるセンターのコントロール
機能、トップダウンで決断をくだせる、行政レベルの強力な
リーダーシップがないことが非常にもったいない。

●多くの大切なものが消えてしまった中で、人と人との繋がり
の強さが際立って輝いていた。
これだけは、だれも消せないものなんだ。人ってすごい・・
と感じ入る。

●東北弁の難易度が想像以上にハイレベル(笑)。
なぜか、私と夫(東京在住)は単語が分からなくても聞き
取れたが、関西の友人は「わからへん」と呆然。
お話を伺いに行く際は心構えが必要。

●法令の不備や所轄官庁の認可など、国の決め事によって
金縛りになって硬直化して進まない事の多さよ。
今のような時には地元利益誘導型・地元還元型の政治でないと
物事が進まない。
(↑その型が政治としてベストと言っている訳ではありません)
現政党では無理。

●ボランティアについての課題今回は本当に運がよく、
素晴らしい窓口、担当の方とご縁ができた。
わたし達の目的とスキルを受信、受け入れ先をリサーチ、
段取りまで対応してくださった。(感謝です!!)
ただ、その窓口に辿り着くまでに時間がかかったのも事実。
自分のスキルを必要としている場はあるのか探すのに時間が
かかり、連絡してもご多忙ゆえか、お返事がない窓口もあった。

―窓口の小関勝也さんのお話。―

『「現地には行けないが何かできることがあれば」、「現地で
○○がしたい」という人と、現地のニーズをマッチングさせる
ことができれば、自立・復興・心のケアなどの支援につながる。
しかし、「ボランティア募集」の情報発信はあるものの、
ネットの強みである双方向性(マッチング機能)が乏しい。

ボランティアのネットワーク、人や団体、支援物資を被災者と
つなぐのは簡単なことでもないため本来、
このような受け皿を行政もしくは社協(その情報をもっとも
有している組織)が担ってくれれば、もっとスムーズに
ボランティア・情報の受け入れ態勢が整うと感じる』

一方で、わたしは、「ボランティアが自己満足の手段・
押し付けであってはならない」「ボランティアに行くことで、
現地の手間が増えるようでは本末転倒」ということを、
改めて肝に命じたい。

●南三陸町が大好きになりました。
そして、一度行っただけではまだまだ理解不足です。
継続して、おじゃましたいです。

(と、心に誓い帰路についた。・・・はずが、道に迷って
港で呆然とする3人だった)
$ジコチューなともかさんの、ワンダフルな結婚生活とつながりの有る日々-夕陽