2018.8.30

亡くなる3日前


失語症の主人が 日々 小さな脳梗塞を繰り返しながら、がんばって言葉にして伝えてくれた日。



朝ごはんを食べて

リハビリへリムジン前


リハビリの室長をしている先生が

家での生活のこと、

働けなくなった後の生活の事を面談してくださいました。


主人は背中合わせくらいの距離で右手のリハビリを先生としています。 

主任の先生が 親身になって相談にのって下さって、あの時初めて 緊張がほぐれたのか主人に気が付かれないように 泣けました。


金銭的な事やこれからの不安に自分も気が付いていないフリをして過ごしてなんとか笑って生きてきた、という感じだったとおもいます。


室長の提案で そういう生活面の相談窓口が病院にある事を教えて頂き 面接のお願いをしてきました。


お昼を食べて帰宅

少しお昼寝をして

夕方、主人が玄関の椅子に座って

考えている様子。


キョロキョロどしたの?


えー?んー。。。



よくみると

靴を履いています。


外いきたいの?


真顔ん。。


まず、ズボンはかないと☺️

Tシャツ、オムツ、スニーカーじゃ通報されちゃう。


おずぼん履く?


ニコうん。


車のキーはもたないよ?

お散歩ね?


うーんうん、(難しそうな顔)

しょんぼり何か  約束   ある?


明日、Tちゃんと約束してるよ。

今日は病院の予定だけだったよ。


。。。

とりあえず下のデッキで風にあたろう。


しばらくマンション下のデッキで風に当たったり、お話ししたり


少ししたら

主人が立ち上がって 歩き出します。


ロビー辺りで

胸のあたりを触りながら


えー?   こんなに

胸騒ぎが   したこと、

ないんだ


そう言ってウロウロ歩き回ります。


何か大切な約束をしてた感じ?


ショックうん。


誰かと約束してて私が把握してないだけなのかなー。心当たりないなー。


とりあえず一回お部屋もどろうか。

ぐすんうん。


お茶をしてしばらくするとまた玄関で靴を履いています。

うーん行かなきゃダメなんだ

っていう。

どこに?いいよ、どこでも行くよ!!おねがい


。。。


ショックそれが

わかんないん だな。


そかー。明日の約束と勘違いしてるんじゃなくて?


ぐすんそうなのかな。


あ、もう少し遠くに車椅子で行ってみようか。 私がスーパーマーケットに行く途中の橋からの景色ね 見せてあげたいの。

乗って乗って!!車椅子押す練習もあなたが歩けるうちにしとかないと。



夕方でまだまだ暑くて

小さな坂の小径息が上がる、、けど

後ろに私の顔がいくから、

息が上がると

主人に悪い気がして 

静かに呼吸 


凄くこれは、大変な事なんじゃないか!!

年の差がある私でもこれなんだから、

同年代とかだったら

どうなっちゃうんだろ!


車椅子、なかなか、はーど!!


お気に入りの橋について、

ここからね、夜になると

東京タワーとスカイツリーが見えるの。


キラキラへー。それはそれは。


ウシシりんごちゃん ぼく 少し歩けるよ 大変でしょ?


てへぺろそぅ?ありがとう。 風がきもちいいね


アイスクリーム買って帰ろっか。

あずきバーあるかな。


つづく