ちょうど昨日、私も乳がん検診を受けてきました。

毎年受診している一番の理由は、私がいなくなると困ると言う人がいるから。

だから病巣ができたら早く見つけ、根治させるためです。

 

 

NPO法人ピンクリボンうつのみや主催の「第4回ピンクリボンセミナー」に参加してきました。

昨年に続き二度めになります。

 

⇒第3回ピンクリボンセミナーピンクリボンうつのみやが目指す、全国初乳がん検診受診率50%の世界

⇒第3回ピンクリボンセミナー専門性が生きる女性専用検診棟&乳腺外来「宇都宮セントラルクリニック ブレストセンター」

 

 

会場の「とちぎ健康の森」講堂は同じように最新の乳がん事情についての見識を求める人で埋まりつつあります。

栃木県は啓発運動の効果で意識が高くて、乳がん検診受診率が33.8%だそう。

果たして東京はどうでしょうか。

 

そもそもピンクリボンとは?

乳がんの正しい知識を広め、早期受診・早期発見を促す活動のことを言い、そのキャンペーンやシンボルマークも含みます。

 

実は乳がんは早期治療で90%が治ると言われているがん。

 

 

なのに、なかなか検診に行かないことで罹患や完治への道が狭まっていること、乳房の温存への不安などが壁となり治療の選択が遅れることが問題視されています。

50%を超える北欧や欧米の乳がん検診受診率に比べ、なんとわが国日本は20%台と極めて低いのだそうです。

ちょっとこの数字は私も衝撃でした。

あなたも、あなたも、あなたも受けていないのでしょうか・・・?

 

日本における検診の受け方

各地方自治体でのがん検診

都道府県、市町村、特別区で、どなたでも受けられるがん検診や一般の健康診断を実施。

ただし対象年齢や実施時期、場所、費用負担については各自治体でさまざま。

医療機関での任意型がん検診

医療機関や人間ドッグでがん検診を実施。

健康保険組合からの費用補助があることもあるが、自己負担が基本。

よって受診料は金額高めですが、そのぶん精密な検診を受けられる可能性もあり。

 

どちらもメリット・デメリットが考えられます。するかしないかはあなたの意思。

ただ行かないよりはるかに、発病した後の道は明るいです。

 

 

1部:遺伝性乳がんと画像診断

 

講師:放射線科医・ピンクリボンうつのみや理事長 佐藤俊彦氏

画像クリニックを東京にも開設するとおっしゃる佐藤先生。

遺伝性のがんと画像診断の現在についてお話しくださいました。

 

 

日本人女性の乳がん生涯発症リスクは9%。100人に9人が一生のうちに乳がんにかかる計算となるそうです。

遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(=HBOC)となると、その発症リスクは40%-90%。

がんの中では女性特有のこの二種のがんは遺伝性が強いがんと言われているのです。

 

 

さらにこの遺伝子は女性だけではなく、男性にもかかる可能性があり、両親がその遺伝子を持っていれば子どもへの遺伝確率は50%にも及ぶ、家系図で見るとおそろしい系譜を生んでしまいます。

 

 

HBOCの特徴としては上記の項目があり、より詳しい検査をすべきだということです。

遺伝性乳がんの対策としては、女優のアンジェリーナジョリーが行った早期予防切除がセンセーショナルなニュースとして世界を駆け巡りました。

母親が乳がんだったこと、遺伝子検査で自分にも発症の可能性が高いことが検診で判明したことから、女優としての半生より家族との未来を考えまだ病になっていなかった乳房を切除した生き方。

それもまた一つの選択です。

真逆にいる小林麻央さんのメスを入れない、温存したいという選択。

それもまた一つの尊い選択には変わりありません。

悲しい結果を生みましたが彼女の人生、命は彼女のものだからです。

 

 

現在、乳がんの検診でできることは何なのでしょうか?

マンモグラフィー、MRI、超音波、視触診などですが、その実施率とがんの検出率に開きがあることを前回のセミナーで知ってしまいました。

多く用いられているマンモグラフィー。実は検出率が低いのです。

(私は最近の検診ではMRIと超音波、視触診にしています)

 

 

 

 

ただ弱点も当然あり、ピンクリボンセミナーではそういったネガ情報も合わせて教えてもらえるのでフラットな気持ちで選択を考えることができます。

 

 

画像検査一覧がわかりやすいよい例でした。

ご参考までに・・・これを見るとどの方法も一長一短があることを思い知ります。

万能の神器はありません。だから併用して検査を受けるのです。

 

 

科学療法、ホルモン治療、放射線治療の大切さを佐藤先生はおっしゃっていました。

 

 

X線・レントゲンは放射線をからだの正面から透過させて映しますが、PETは体内の患部に放射線源をあて測定するそう。

 

 

さらにPEMにいたっては部分撮影でよりクリアな画像が得られるだけでなく、もちろん体への負担も少なく副作用も小さいと考えられます。

 

 

乳がんを血管に生じた危険因子の段階でもっとも早く見つけ、腫瘍が大きく成長してしまう前に発見できる可能性が高いPEM。

強く勧められる理由が、医療に明るくない私にもわかりやすく伝わってきました。

 

 

NCCN(=National Comprehensive Cancer Network) 世界の25の主要がんセンターで形成されるNPO団体は年に一度のMRIを推奨していますが、「ピンクリボンうつのみや」では重ねて精度を増した最新の高度機器、サイバーナイフやトモセラピーを取り入れて、がん治療の先駆を進むのだということですよ。

期待したいですね!

 

2部:標準的でないがんや痛みの治療最前線、「血管からがんを直す、痛みを直す」

 

講師:CLI 奥野哲治氏

血管内治療で、切らない、乳房を温存する手法の奥野先生と、さきほど佐藤先生からご紹介があった放射線専門医でクリニカETを立ち上げた奥野先生。

ETの映像が出てきたのですがもしかしてあのETがネーミングの語源でしょうか?

 

 

進行がん、転移、痛みの周りを変える、カテーテルにより局所の腫瘍血管から治療して異常血管を減らす、特殊な細胞治療・・・

驚きと不思議でいっぱいなお話が始まりました!

 

 

胸の転移など静脈がルートとなり、腫瘍は血管を乱しバランスを崩して育っていきます。

 

 

神経が増殖し新しい血管を乱れ生み、炎症が起きて痛みのくぼみ、がんのくぼみが発生。

 

 

神経の痛みは、すなわち血管への通過を柔和することにより改善するという治療法を奥野先生はとっています。

 

 

 

転移するルートとなる腫瘍血管を閉じてしまえば、転移を抑えてがんの幹細胞の増殖を鎮めることにつながるのでは。

 

 

クリニカETで取り入れている超音波治療HIFU(ハイフ)。

乳房にメスを入れたくないときの選択肢の1つとして、このハイフを使った治療も血管治療と併用されているそうです。

腫瘍だけを ピンポイントで焼き切り凝固させるのだとか。一口に「乳房を切らない」といっても、想像外のいろんな治療法が存在しているんですね!

驚きと発見の講義内容でした。

 

3部:乳がん治療における放射線治療の役割

 

講師:自治医科大学放射線科/中央放射線部教授 若月優氏

最後に登壇された若月先生の冒頭は、先生が群馬から馴れないながらも栃木に来てよかったトークから始まりました。

娘さんが名物の苺が好きになるんだろうなと思っていたら、いきなりかんぴょうが好きになり(笑)びっくりぽんなお話しから、一歳児にして餃子が大好きで宇都宮に来てよかったという微笑ましい流れ。

専門用語も極力少なく、切らずに治す放射線治療についてわかりやすく説明くださいました^^

 

 

放射線治療は100年の歴史がある治療法ですが、欧米では50-60%の放射線治療も、日本ではまだ30%ほどの実施率なのだそうです。

 

 

乳房温存療法のみよりも放射線治療を合わせることでより生存率を上げることができます。

 

 

放射線とは何か?

粒子線、あるいは電磁波で直接的、間接的に物質中の原子や分子を電離して、物質を発光させたり化学変化を起こしたりする波動です。

 

 

誤解されがちですが(私もよくわかっていない^^;)、がんの治療で使われるのは「放射線」であって「放射能」ではないということ。

転写すると痛いとか熱いとかもなく、体内に悪影響が出るものではないのですね。

 

 

ただ理解して行うことと、きちんとした治療のスケジュールを遂行することが大切です。

 

 

副作用についてもきちんと学んでから挑まなくてはなりません。

 

 

専門医の指導に従い、適切な医療機関を受診することが大事です。

 

 

 

日々新しくなる医療分野にあって、リスクを軽減してくれたり、再発知らずの最新の機器の導入も力強いことでしょう。

メリット、デメリットを知り、有効性について副作用についていろいろな面で納得した上で治療法を決める。

その選択肢を得ることが何よりも大事かなとお三方の講義を通しで聴いて感じました。

 

まずはその第一歩に立つ、乳がん検診へ!

ピンクリボン週間を機にみなさんも行きませんか♡?

 

 

さらに今年の冬には、宇都宮市に放射線治療センターがオープンするのだそうですよ!

導入する機器には今回話題に登場した「サイバーナイフ」と「トモセラピー」があります。

早期のがんから転移が進んだがんにも対応でき、他の臓器は傷つけずに病巣だけを放射線治療できる特性を持つのだそうです。

 

 

セミナーの前後は、ロビーのブースも見て回りました^^

 

 

 

 

ちょっとセンセーショナルだったのは、乳がんのしこりを触って体感できる乳房触診モデル。

 

 

触れるとたしかに違和感のあるかたまりが・・・ぞっとしました。

 

 

ひとりひとりの意識が大切なピンクリボンピンクリボンキャンペーン

一人でも多くの人が「知って」「考えて」「行動する」ことにつながり、何らかの制度も手厚くなってハードルが下がり、日本の受けていなかった8割の女性が受診することにつながりますように・・・

 

 

なるべくメモを取り調べて書きましたが、私には聞いただけではわかりえない部分や専門用語もたくさんお聞きしたので、記述が間違っていたらごめんなさい。

わかる範囲で指摘して下さったらすぐに訂正をしますので、その場合は教えてくださいねm(_ _)m

 

NPO法人ピンクリボンうつのみや

栃木県宇都宮市矢板町561-3

028-657-0808