夏の木陰の香りってどこかノスタルジックで好き。
夏祭りに急ぐ浴衣の女子の裾が、ひらひらと道行く人の流れに揺れては通り過ぎる。
神楽坂は今年になってお仕事でよく歩き、好きになった街です。
もともと坂が好きなのだけど、町と坂がうまく共存共栄している神楽坂。
もっともっと歩いてみたい。
そう思っていた矢先にお友だちからの週に一度しか提供されないランチコースのお誘いが。
ワインとイタリアンが好きな女子で集まっての食事会。
ワクワク! ぐふぐふ!
私はサングリア(500円)。
とっても暑い日だったので、駆けつけ一杯めは氷入りでぐびっといってしまっても負担がないサングリアで正解!
なんとじゃがいもとメロンのすりおろしですって。
ビシソワーズにメロンが同居。でも飲んでみたらメロン氏がかなりの主張、同棲を通り過ぎてマリアージュしておった。
それくらいメロンが関白宣言。(暑くて意味不明)
とろとろフルーティーなコースの始まりです。
前菜は目にした時の印象と、口に運んだ時のいい意味での裏切りが面白い一皿。
✔しらうおのフリット、黄色いセミドライトマトのソース
しらうおが押しくらまんじゅうするかのようにぎっしりと練られたもので、外は厚めの衣で硬めカリッと、しらうおはふわふわっとやわらかく揚がっていて、しらうお自体に塩味がついているのでトマトソースはかえってまろやかに濾されていますね。
一見地味めのフリットなのですが、しらうおを持ってくるこのギャップ、そしてしっかり魚介の旨みが込められている点がかなりツボ!
いただいているとお目目が合っちゃうのが難点だけど(笑)、ワインに合うお料理のアイデアが練られているお店だということが前菜で分かるチョイスでした。
大きめズッキーニのグリルは、しっかりとオイルを吸っていい塩梅。
そして桃と白い小さなきゅうりのサラダ仕立てがまた、ビネガーの酸味とかすかな甘み、ディルの香りで見事なマリネに。
異素材な気がする同士を爽やかな酸味がほんとにうまくまとめています。
完成度に全員一致で「おいしいね」と笑みが出ちゃった^^
本日のパスタは、メッツェマニケ(伊語で半袖のこと)というイタリア・マルケ州のショートパスタのカルボナーラ風。
すりおろしのペコリーノソースがふんだんに掛けられていて、しっかりとその塩分を感じられる濃厚なソースです。
このソースが濃くってまたすごくおいしいわけ!
カルボナーラと言われたんだけどクリーミーさよりもチーズや卵、お肉から出た濃厚な旨みが後を引くパスタで、土曜のお昼じゃなかったらワインが止まらなくなる味ですね!
メイン以外のここまでの味付けはワインに合わせてしっかりとした味付け。
メインは牛タンのグリル、種無し巨峰。
牛タンとぶどうって、絵にしてみるととってもシュール!
岩塩が雪のように散る黒いお皿に乗った画は、まるで前衛アートのようでした。
大きな塊状態の牛タンでしたが、ナイフを入れてみると中までちゃんと火入れがなされしかもスッと切れるやわらかさで驚き!
これだけの厚みがあると硬かったり、中が赤かったり、逆にパサついていたりと心配でしたが、まったく大丈夫!
淡白な牛タンですがしっかりとジューシーに仕上がっていたので、もしかして下ごしらえで塩漬けにしてあったのかな?
蒸してから外側をグリルすることで、弾力と旨みの両方が味わえました。
付け合わせたぶどうとも不思議にマッチするのよ~!
これは家でも真似したい組み合わせ!
ドルチェは厨房で作られるという焼きたてのタルトが出てきました~♪
いちじくを使ったクラフティのような薄めのタルトに、バニラアイスが添えられていてホッとする甘さ。
パスタもメインもしっかりな量で、通していただくとかなりボリュームがあるの。これ男性でも大満足なコースですよ。
それぞれのお皿、素材の組み合わせの妙も粋で、イタリアンらしい遊び心にあふれています。
実はこのランチコース、土曜日だけの限定ランチで3000円という限定コース。
これコスパが良すぎでしょー!
神楽坂はオシャレなお店が多い激戦区だけど、お料理の見せ方も味付けもとっても好み!と感じ入ってたら、なんとお会計のときのショップカードを見たら、四ツ谷の「ガッロ」の姉妹店だって言うじゃない!!
まじめにどビックリですよ・・・!!
過去食べレビューでベスト1に選んだお店の姉妹店・・・どうりで好みなはず・・・^^; (絶賛の「GARRO」のレポはこちら)
なのでここ「TERZO」も再訪は確実。
今度は魚貝を食べてみたいな!
神楽坂ワイン食堂「Terzo」
東京都新宿区神楽坂2-11 第83東京ビル3F
03-5946-8930