おいしいものを「おいしい」と言える。
かぐわしい香りを好きなだけ吸い込めて、そうしてほっと肩のこわばりを休められる。
そんな瞬間と空間があることは、とってもしあわせなこと。



「珈琲店」と万年筆を使って漢字で書きたい「八王子珈琲」。



予定があり、ここで待ち合わせて足を踏み入れた途端にきゅん♡としてしまった。



あちこちがレトロで趣きがあって、オルゴールの中に足を踏み入れたような珈琲店。


誰もいなかったのでついつい写真に収めちゃう。



パンケーキと珈琲と。
もう頼むものは心で決めてしまっていました。


私は初めてのお店ではなるべくシンプルなパンケーキをいただくことにしているのです。
焼き方や生地へのこだわりが一番よくわかるのがバターとシロップのシンプルなパンケーキ。ということで、初志貫徹で同店のオリジナルメープルバターパンケーキ 580円を。
メニューにも「生地に米粉とメレンゲを使用した特製」、と書かれていて期待が高まります♡
そして一番気になったことは、他のフルーツパンケーキとの色合いの違い。

どう見ても色と膨らみ具合からこの二種類は生地が違うと思うのだけれど、オーダーを取りに来てくれた女子に聞くと「同じではないでしょうか?」とのこと。(あきらかに色は違いません??)


そして珈琲店というだけあって、コーヒーに悩んだ悩んだ・・・
一杯一杯バリスタがていねいにハンドドリップで淹れているというのでどれもおいしそうだし。


「数量限定」の文字に惹かれて、ルイス グラシア珈琲にしてみた! 
ケニアの山頂付近で採れる世界でも最高グレードAA++のスペシャルティコーヒーとのこと。芳醇なアロマと甘みがあるみたいですよ^^
お高め800円ですがパンケーキとセットで200円引き。
ただ先ほどの店員さんはコーヒーの違いの質問にもあやふやな答えだったり、「ちょっとわかりません」と奥に消えて行ったりとまだ新しいスタッフさんなのかな?
結果、「パンケーキとコーヒーを同時にお願いします」とお願いしたけれど、パンケーキの上のバターが溶け終わってからコーヒーがが到着してしまっていたよん><; 



そして到着したパンケーキはシンプルに平たいもの。
でもこの表面の焼き色の美しさを見てもらえばわかるように、ダマもなく温度管理のしっかりした焼き方なのが伝わります。



薄いんだけどまぁるく仕上がっていて、程よく大きく食べ応えがありそうです。


ナイフを入れてみると、米粉ミックスとあったようにやっぱり食感は通常のパンケーキと違い、表面が香ばしくカリッとしていますね!
ですが中心部分は泡立てが効いていてエアリー。しっとりふわあっとしています。
この食感は材料分量の割合がキモでしょうか。
それにしてもナイフを当てたときの表面のさっくりとしたさけ具合がかなり好みです。私、米粉ミックスで焼いたパンもパンケーキも生地離れがよく大好きなのです。



そしてわくわくと切り分けていたら不思議な光景が~!

先ほどまでぺったんとした薄い生地だったパンケーキが、ナイフを挿して空気に触れさせた途端にもっちりと持ちあがってきたのです!!


カットしてみると断面に気泡がたくさん入っているんですね。これが軽い食感をもたらせる秘密でしょうか。
そしてこの気泡が切り分けられて断面が外気に接したとたんに、立体にふくらんでまるで表面を押し上げていくようです。
バターが溶けメープルシロップも吸っていくからもあるのでしょう。
生地の厚みは口に運ぶ前にはこんもりとふくらんでボリューミーに変わっていました。




じんわり甘いメープルと微かに残るバターのしょっぱさ。
生地の味わいは相性抜群です。




そしてホクホクとスペシャルティ珈琲も飲み干していきます。
正直、私は舌が肥えているわけではないので、どこがどうおいしいとか差異は書けませんが、珈琲らしい苦みも少々。かぐわしい香りが心地よい、ルイス グラシアでしたよ!



食べ進むうちにパンケーキはここまで気泡がふくらんで、ふわわ~っとした状態にまでなっていました。

シンプルなんだけど変化が楽しい生地です。


ちなみにサンドイッチも豊富! 次回は是非サンドイッチだ!!
レトロで年配好みの気がするクラシカルな八王子珈琲店。
お隣の席のおばあちゃんたちがレシートではなく、こんなテーブルナンバープレートを持って会計に行くのも、露骨ではなくとっても上品に思えますね。


ですがお店を出たらド正面にドン・キホーテが(笑)。一気に現実に引き戻されました。
「あ~ 糸ようじとキッチンハイター買って帰らなくっちゃ~!」なんて思わず心の中でつぶやいちゃうけど・・・


スペシャルな珈琲を飲んだ。
おいしいパンケーキを食べた。
それだけでもしあわせ。


笑っていたって泣いていたって、何もしなくたって無駄に過ごしたって24時間365日、毎日は繰り返しやってくるけど、
ちょっとしたことで「ああ しあわせだな」って単純に思うことができる自分が、とても恵まれているなって思います。


八王子珈琲店
東京都八王子市三崎町4-11 2F