今宵 素敵なひとときを TOKYOで――――。


NYの三ツ星シェフである、ジャン・ジョルジュ氏による日本初のレストランが六本木けやき坂に建つ
JGジャンジョルジュ東京」。






おとなの街、六本木に似つかわしい重厚な佇まいであるこちらで、ラグジュアリーなご褒美ディナーをすることにうっとり




前評判を耳にしていたので、指折り数えてまだかしら~まだかしら~と心待ちにしていましたが、本来「今夜はレストランでお食事!」というとこれくらい気持ちを高めたいもの!
ご褒美なくして、日々のあれこれは乗り越えられません。
生きることは食べること。
「おいしい」があれば、色褪せた毎日も薔薇色に見えてきます。

 



1階はざっと見て15席ほどの重厚感ある大理石のカウンター。

なんでも、和の割烹スタイルを動線として一階席は取り入れているそうで、目の前の厨房できびきびと動くシェフの指先が見られるなんて、ライブ感あふれて素敵!




階段をのぼり私たちが案内された2階は、5テーブルほど。
今夜はここでゆったりと過ごすことができそうです^^





夕刻から少しずつ暗くなり、店内もムーディーな灯りがともりいい感じ




今回、予約しましたのが、Prix Fixe Menu(Choice of 3 Dishes ¥9800)
プリフィクススタイルで、冷製の前菜、温製の前菜、メインと割とボリュームのあるコースメニューの中から好きなものを選りすぐれるものに。
好きなものをそれぞれ、が自由度も高くやっぱり一番好きなスタイルですよね。





お行儀よく並ぶカトラリーの端っこには、ちょこんとJGの帯も可愛いお箸が。
このお箸が登場するところも含め、ジャン・ジョルジュ氏が日本展開をする中で、日本食や和の調味料を加味してのレシピなんだということを意識させてくれました。






最初はシャンパーニュ。
ボトルオーダーせずに、ワインソムリエさんにディッシュごと、ペアリングしていただくことに♪
ニコームフフ。



N.V. Billecart-Salmon Brut

ビルカール・サルモン ブリュット・レゼルヴはフランス・シャンパーニュの白・発泡。
飲みやすく、ほんのり色づいた華やかな乾杯の一杯です。




アミューズは、きゅうり、メロン、ヨーグルト、レモングラスの入った洋風ガスパチョ

「ベリーをスープに落としてお召し上がりください」とのこと。





言われたままにティースプーンに載ったベリーとミントを、とぷん!とガスパチョのモスグリーンの海へ。





不思議な感覚のままに口へ運びます。
素材の食感はなくさらさらとしたガスパチョの中に、みずみずしいフルーツ、キューカンバーの青さ、ガーリック?チキンエキス??スープのコク、まろやかな乳成分のとろみ、そしてレモンシロップの甘さやエスニックなスパイスが混ざりあって、一言では言い表せない味!
う―――ん、おいしいっ。





使われているこの薄く不安定な白いお皿たちが(どうやらこちらのメーカー?)とっても印象的で、波打ったようなラインは、ジャンジョルジュの型にはまらない独創的なお料理にピッタリとマッチ。



ブリオッシュ?スコーン?と聞くと、ビスケットですとのこと。
実はスコーンのもっさり感の残るものはあまり得意ではないのですが、このビスケットは空気をいっぱい含んだ層がサクサクでおいしかった!




スペシャリテをどうしても食べたくなり、オーダー。
ジャンジョルジュのシグネチャーメニューだという、エッグキャビア
ちょこんとお皿にハマっていて、もはやアート作品のよう!




大分・別府の蘭王という、良質なえさを食べ育った親鳥が生んだ、ブランド卵を使用した温かいスクランブルエッグにはなんとウォッカとレモン入り!
そして上にはひんやりクリームとスプーン一杯分の贅沢なキャビア。




くるくるっと混ぜて口の中へ。
ん? んん?! ふわふわ、そしてとろとろ!

奥深い、そしてなぜだか懐かしい、たまご酒のような喉ごしなのよ!(ボキャブラ足らずすみません☆)






続く冷製の前菜は、フォアグラブリュレ 佐藤錦と柚子のコンポート





Trimbach Gewurztraminer

ペアリングワインは、フランスのミシュラン3ツ星レストラン全軒にオンリストされるという、ジャンジョルジュ氏と同じ地のアルザスワイン。
白い南国の花や果実のような香りがして、 冷たく濃厚なフォアグラブリュレと合わせると、なんでしょうね?
不思議なんだけどアイスクリームを舐めているような感覚!





この組み合わせがもうバッチリで!! 
口の中で溶け合って、一つの味に完成していくような、それこそワインペアリングの持つ凄みをひしっと感じたひと皿と一本でした。




見た目よりフォアグラブリュレがさっぱりしていたのは、下のブリオッシュのトーストが油分をいい意味で吸い取ったというか。
また砂糖で香ばしく焼かれたカラメルが、新感覚!

添えられたジャムは好みでとのことですが、もちろんこちらもベストマッチ。  
季節ごとに変わるそうですが、本日はゆずとさくらんぼの佐藤錦を煮詰めたジャムでした。
私はこの日通して、一番このメニューがお気に入り!!






フォアグラの鉄板焼き ライチとブラックオリーブ シーズニング(+1000)


プラス価格でしたが、フォアグラフェスティバルの真っ只中でしたので、迷わずいっちゃいました^^;
波打つ美しい白いお皿に薔薇の小さな花びらとローズのお塩がぱらり。
もー、こんな小さな絵画のような薔薇色のビジュアルにもノックアウトされそう。




Migration

旅立ちという意味を持つ、渡り鳥のラベルが目印のマイグレーション。
ピノノワール赤。





フランス産ランド地方のフォアグラローストに、黒く焦げているように見えるものはブラックオリーブのパン粉。
なめらかなライチピューレが添えられていて、ワインのフルーティーな味わいと本当に付随するように胸がときめくおいしさ!





フォアグラもこの通りしっかりと厚みがあって、カリッとした表皮に反して中はレアです。




サクランボ、ラズベリー、イチゴといった赤い果実独特の甘酸っぱく豊満なワインの風味が、フォアグラのコクをさらに印象深く舌に残します。





ロブスタータルティーヌ レモングラス フェヌグリークソース(+2000)




メインは奮発して大好きな海老で♪
甲殻類の独特のテイストのソースには、レモングラスが効いていて夏めいて口当たりはさっぱり!




裏側の海老の繊維を見ていただけると一目瞭然なぷりっぷりさ。

噛むとはじき返してくるオマール海老を正統派に火入れした後、ストレートに仕上げずに、スパイシーなエスニックソースで爽快にドレスアップしてあり、ううむこちらもまた予想外。
唸ってしまうおいしさです。


Joseph Phelps

合わせていただいたものは、ジョセフ・フェルプスの2013ソーヴィニョン・ブラン。
熟れた梨のような?白い果実味のみずみずしさがある白。





口直しに出てきたソルベにまたまた目がハート
パイン、ライム、レモングラスのソルベ にはラム酒が泡状のフォームになってショワワワワとかかり、オトナ仕様のサマークールな口直しに♪ 




デセールも4種の中から選べます。

中でも、あたたかいチョコレートケーキ バニラアイスクリームは、世界中どこのジャンジョルジュにも置いてある定番メニューだそうですので要チェック!
続くフォアグラに、ここはライトなモノにしようと、バジルのパンナコッタに。





想像以上にバジルが効いたパンナコッタが出てきましたが、不思議と気にならなかった・・・。

甘さとハーブ感がとってもいいバランスで、上にかかったストロベリーパウダー、添えられたブルーベリーソルベ生ベリーたちもどれもあいまって夏らしいです。




最後は、プティフール4種珈琲




右上がゆずセミフレッドのアイスケーキ
右下がフランボワーズパウダーのおもち 
左上はピスタチオの入ったヌガー
左下が西京味噌のキャラメル





どれも個性的で、でも最後になってここは日本でいただくコースなんだと、旅の最後に認識できるような幕の綴じ方。

今までに食べたどのお料理とも似ていない、ジャンジョルジュでのディナーは、この不安定で美しい陶器たちに似た、繊細な工夫が活きたコースでした。











Jean-Georges Tokyoフレンチ / 六本木駅麻布十番駅乃木坂駅
夜総合点★★★★ 4.3