表参道に行ったからには、おしゃれなランチがしたかった。
天然酵母のパンとかキッシュとか。
でもたどりついたのは銀だこ。
「銀だこ」がおしゃれじゃないとか言いたいんじゃない。
この蒸し暑さの中あえてのたこ焼き、それは

私が哀しいくらいに粉もんスキーなだけである。




原宿駅前の「築地銀だこ」。
待ち人7人くらいの列が出来ている。
待つのさえ億劫なほどの蒸し暑さの中、鉄板の熱気も迫ってくるもんだから昼から気分的に飲んじゃいたかった。
ここがハイボール酒場でなかったことを恨んだ。


たこ焼き8個 550円
セットドリンク 150円


懐かしい7UPをチョイス。
後ろに並んでいた高校生気分で。





順番が来て忙しいからか熱いからか、イライラした感じのしぐさで店員さんから舟皿を受け取ったけれど、あれ? おかしいぞ。銀だこの呪文がいっこうにかけられなかった。
あの笑顔と一緒に投げかけられる、「おいしく召し上がれますようにだ。
「マヨネーズはかけますか?」よりも、「青海苔も振りますか?」よりも
「おいしく召し上がれますようにでしょうが!
北の国からの吾郎さんのように口をとんがらせて私は一人悶々とした。
あれがないと、おいしく召し上がれないではないか。




イートインは2階だ。
エレベーターで上がり、一人黙々と揚げたこ焼きであるアツアツの銀だこを頬張り、
7UPの炭酸を喉に流し込んだ。
二度揚げ状態のたこ焼きは、表面カリッと、中はとろとろ。
どの支店で食べても同じ味。相変わらず美味しかった。




隣では、GWに不倫旅行をしたけど進展しないと相談し合う女子大生の二人連れ。なんとドリンクだけ。
後ろの席は全員中国人の観光客だ。それも団体ではない。個人客が何組もいてたこ焼きをつついている。
銀だこの魔法はもう必要とされていないのかもしれない。
以前はどこでも言ってくれていた「おいしく召し上がれますように」は今は根絶状態で。
でもあれこそが、滝川クリステルより先に感じた日本人の根底にある "お・も・て・な・し"だったように思う。
だからこそ、レジに戻って言いたくなった。
「おいしく召し上がりました!!」と。


築地銀だこ 原宿店
東京都渋谷区神宮前1-14-24
03-5775-1788
築地銀だこ 原宿店たこ焼き / 明治神宮前駅原宿駅表参道駅

昼総合点★★★☆☆ 3.0