ANAのうれしいところは、ちいさな地方都市にもたくさん飛んでくれているところ。
私の育ったまちもANAだけが飛んでくれ、そこからいろんな土地に旅するのが好きでした。
何より晴れた青空を思わせる、ブルーの機体が爽やか。
ぐんと加速して地面を離れたら、その機体はすぐに空の一部になって、私を夢の世界へといざなってくれるのです。
さて、四国は高知のステイをご招待いただいたときのこと。
往復は青い翼・ANAの旅でした。
突然の春の嵐にめまぐるしく顔色を変える高知の自然の姿に、驚きつつ尊敬しつつのひとり旅。
ひとり旅は誰にも迷惑をかけることなく、マイペースで滞在できるので気が楽です。
ダイナミックに荒れたかと思ったら、天使のはしごがかかり虹が架け橋となり、麗しく輝く空。
東京の喧騒を離れ、ただただ流れてゆく雲を追う、そんな数時間もとっても有意義に感じます。
ご用意いただいたお宿は、ウトコ オーベルジュ&スパ。
もともとメイクアップアーチストのシュウ・ウエムラ氏所蔵のリゾートホテルで、今は星野リゾートの管理のもと海辺に建つ、貝殻のようなカーブが美しい白亜のアーティスティックなホテルです。
引き算の美。そんな美しさ。
近くにはウエムラ氏のコスメに使われていた海洋深層水の精製施設があり、このホテルの中にも海洋深層水をふんだんに使った素晴らしいスパが引かれていました。
スパでの施術もついていたのですが、ここでの体験が私が海洋深層水に心酔するきっかけに。
たぶん、人生振り返ってもあとにもさきにも私にはベスト!なホテルになることでしょう。
食事は高知の黒潮にもまれた魚介や、太陽を浴びた野菜をたっぷり使った黒潮イタリアン。
室戸ジオパークの迫力を眼下に望める好立地のロケーションに、そこを活かし尽くした設計とおもてなしの髄。
朝は書斎で借りた本とネスプレッソのコーヒーを持って、テラスで昼寝。
夜は星図を掲げて、ロッキングチェアで360度広がるパノラマの星座をひとりじめ―――。
レンタルサイクルを気ままにこいで、行き着いた先のいのちの不思議さを思わせる神聖な風景に感動し、
抱えていた悩みをすべて包み込んでくれるような、お遍路ゆかりの道のり、寺社。
日常にはなかったあれこれが散りばめられた旅の彩りに、心癒される時計のいらない時間たち。
人生が変わる旅がある。