おいしい記憶がひとを育てる。
おいしい記憶がひとを集わせ、おいしい記憶がひとを笑顔にする。
うなぎの名店として横浜では、「辛口の八十八、甘口のわかな」 と親しまれ、
人気を二分した老舗の「横濱 八十八(やそはち)」ですが、2001年に惜しまれつつ閉店・・・
ところが新たにこの早春、復活したと人づてに聞き、すでにグルメなお友だちが行っていたので私も横浜に行ったついでに行ってみました!
入りやすい、明るい店頭のこちらは石川町からすぐの石川町店。
お重が中心の高級志向の吉田町店と少し趣きが違い、どんぶりものを中心とした気軽なうなぎ屋さんとして2月にオープン。
とはいえ、使ううなぎは吉田町店と同じものですので、実はとってもお得になっているのがこちらのお店の特徴でもあります。
そうそう、この「う」がうなぎのイラストになっているのも鰻屋さんって楽しいのよね。
遊び心が粋に表現され、庶民も楽しめる敷居の低さがうれしいのです。
通された店内は15席というこじんまりした造りながら、木のぬくもりあふれるモダンで温かな雰囲気。
ちょうどお昼を外した時間だったので席も選べましたが、さすがの横濱 八十八。
変わらぬ味にファンが集まり、お昼時は待つことも少なくないそうです。
ただこれからの季節、ラッキーにも雨の日は客足が少ないそうですので、オススメですって(笑)。
土日祝は夕方まで通し営業をされているともうかがいましたので、そういったアイドルタイムを探して来るのもいいかも。
私は定番の鰻丼を。
友だちはお腹と相談して小ぶり鰻丼。
その他のメニューにも惹かれますね^^
さあ! 運ばれてきました!
添えられたお茶は、京都の老舗、一保堂(いっぽうどう)のもの。
"うなぎに一番合うほうじ茶"といわれたお茶だそうです。
肉厚で身はふっくら、箸で押すとこんな風にほどけてしまうやわらかさ。
薄めに塗られたたれはいっさい砂糖を使わないため甘すぎず、表面を香ばしく包み、なんとも上品な口当たりです。
お米は秋田産ひとめぼれ。
べたべたしないしっかりした粒ごたえは、たれを染み込みすぎず、鰻と同じくらいの存在感で鰻を縁の下から持ち上げます。
あまりにふわっふわな鰻が気になったので「どこの産地ですか?」とうかがったところ、「鹿児島から生きたまま取り寄せてます。」とのお返事。
その日はたまたま鹿児島産(養殖)でしたが、そのときそのときでおいしい産地から旬のうなぎを生きたまま取り寄せされているのだって。
生きたままさばくから、新鮮。それでこの身のやわらかさなんですね。納得

その日のおいしい産地の活きのいいうなぎを使った丼が、いつもこのお値段でいただけるのが安心でうれしいなぁ。
おかみさんに「これ使って!」とお薦めされて、食べ進む途中で鰻にかけてみたこちらの山椒。
あれ? 色が緑?! 粒がもさっとしてる! そしていい香り!
今まで茶色い山椒しか知らなかったので驚きましたが・・・こちら、和歌山の山椒。
和歌山のみかん畑で作った特製山椒は、土壌にみかんの養分が染み込んでいるから何も味付けなんてしていないのにこのような色、香りなのだそう!
香りだけでなく、山椒がけのうなぎを食べてみると、かなり強いパンチのある柑橘系の味!
ピリリとうなぎを引き締め、たれをさっぱりますます香ばしくし、どんどんご飯が進んでしまう魔法の山椒でした!
帰り際、朝日新聞の切り抜きを発見。
生きたまま新鮮なものをいただくということは殺生をする。
おいしいものをおいしくいただくために、その命をいただく。
だから「横濱八十八」では今も、さばいたうなぎの供養を込めた「放生会」を行っているんだそう。
おいしい記憶を作るお店の真剣な姿勢。
そこからまたおいしさは紡がれて、私のように新しいおいしい記憶がまた生まれていく。
入りやすい雰囲気の石川町店だからこそ、気負わずにふらっと何かのついでにまた来てしまいそう!
お店は石川町駅徒歩1分という好アクセス。
駐車場はありません。
元町散策をして、ハマトラのウィンドーショッピングなんかして、おしゃべりしながら歩いて向かってください^^
お腹をすかせてね。
香ばしいたれと肉厚のうなぎが待ってますからね。


横濱 八十八(やそはち)
横浜市中区石川町2-81-36
045-641-4788
八十八 石川町店 (うなぎ / 石川町駅、元町・中華街駅、関内駅)
昼総合点★★★★☆ 4.0

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