
生まれる 生まれる。
息づく 息づく。
廃油にまみれたアームからガシャコー!ガシャコー!と延々と繰り出される、
燃えるような緋色の物体は、
それはもう美しくて美しくて、息を呑んでただ見つめた。
力強い音とは裏腹に
儚くてまるで生まれたばかりの血まみれのたまごのよう。
言葉もなく、ただただ立ちすくんでじっと見ていたい、不思議な感動があります。
機械が命令のまま、無機質に同じ動作を繰り返す姿は、刹那な感じというか、ううーなんて表現すればいいんだろ、
悲しいような? 哀しいような?
でもそこにこの真っ赤に燃えるビンが出てくることで、新たな命がそこに落ちいでたような気もするの。
日本はもともとすべての個体物体に生命が宿るアニマリズム的な思想があると思うんだけど。
命が生まれ、形作られているという点では、なんか工場って聖なる場所なんだよね。(一部マニアにだけ?)
少なくとも私は造船地帯、工業地帯に育っていたから
悲哀も含めた工場の侘び寂び(錆び?)にすごく惹かれます。

