ジオパークとは、科学的に見て貴重で美しい景観の地質遺産を複数含む、自然公園の一つです。
この貴重な地質遺産をまもり地球科学研究の普及や環境教育、さらに観光資源としてのツーリズム産業を発展させて、地域産業の活性化を図ります。
平成16年に世界ジオパークネットワーク(GGN)がユネスコの支援により設立され、
世界25ヶ国、77地域が世界ジオパークネットワークに加盟しています。
ジオパークと一口に言っても、GGNが認定する「世界ジオパーク」と各国が認定する「国内ジオパーク」があり、山陰海岸は20年12月に国内初の日本ジオパークとして認められ、22年10月に、ギリシャ会議において世界ジオパークに認定されました!
旅して絶景を巡り温泉に入るたび、ジオパークに惹かれて行ったわけですが、
ここ山陰海岸ジオパークは、私も関わりがある豊岡市の中貝市長が推進委員会の代表でいらしたこともあり、加盟前から応援していたんですよね

ちなみに、次回の日本ジオパーク全国大会は、私も惚れ込んだ高知の室戸岬で来月開催されるようです

山陰海岸ジオパークは山陰海岸国立公園を中心とした鳥取市白兎海岸から京丹後市までの東西約110kmにも及ぶだだっぴろーいエリア。
京都府、兵庫県、鳥取県の、京丹後市、豊岡市、香美町、新温泉町、岩美町、鳥取市と1府2県3市3町をまたぎ、
ご覧のとおりすーっごく広く、そのため砂丘あり、リアス式海岸あり、火山群あり、断層あり、柱状節理ありと多種多様!
“地形・地質の博物館”と呼ばれているほどなんです。
だからまぁ、回るのはたやすいことではありませんが(苦笑)、そのぶん、見どころが満載で絶景に次ぐ絶景!
ジオパークは景観美を生み出しただけではなく、生活に沿った棚田や水産業、そこからもたらされる山海グルメ、陶芸文化、私も恋してやまない温泉などなど、たくさんの恵みをもたらしてくれる宝石箱のようなもの。
決して、環境に詳しい人たちだけが知る場所ではないんです。
住まう人の生活に密着し、そこからいろんな恵みをいただく私たちに身近なものでもありますよ。
さて、鳥取駅でランチを済ませ、不要な荷物をロッカーへ預け、砂丘でのアクティビティをお願いした、

すぐ砂丘へ・・・と思っていたら、この日は気温が高く、鳥取砂丘の砂上の熱気はかなりのもの、
風向きもあり、「真昼ではなく涼しくなった夕方にフライトしましょう」というインストラクターであるらくだくん先生の判断で、時間つぶしに、とある場所へ向かうことになりました。
砂丘を左に見ながら海岸線を東へと走っているようす。お、まっすぐ行くと豊岡です♪
旅行者には駅と砂丘が意外に近くてびっくり。
生活圏と砂丘、不思議な近さに思えます。
浦富あたりに来ました。
浦富海岸は東西に約15kmに渡って続く変化に富んだリアス式海岸・・・
明日、遊覧船に乗ったりサイクリングし眺めようと思っていますが、美麗な白砂青松の海岸線、海食洞・風食洞、断崖絶壁と変化に富んだ海岸線が楽しめる景勝エリアです。
連れてきていただいたのがこちらの渚交流館。
方向音痴&今どこに連れてこられたかがよくわかっていなかったけれど、あとで気付いたら、山陰海岸学習館のお隣の施設でした。
中に入ると、夏休みだからなのか小学生らしき団体とインストラクターさんたちでごった返し!
本館の体育館?ではオリエンテーションが行われているようす。
中には岩美ガイドクラブもあり、浦富海岸でのショノーケルやシーカヤックの体験アクティビティの受付もされていたようで、それでなんですね。なんとも賑わっています。
聞くとらくだくん先生、砂丘体験がない時間はこちらで海洋体験の指導もされてるんだって!
らくだくん先生に紹介され、館内やいわみジオサイトのお話をいわみガイドクラブ副代表さんに伺うこともできました♪
なんだかすごい人脈の数珠つなぎ(笑)!
最初ちょっとコワモテ(?)の副代表は子供たちには仏の笑顔を向けていらしたので、私も子供のようにいろいろ質問し、最後は笑顔でお話しできました(笑)!
アジア大陸から分裂し日本列島が生まれた生い立ち、2500万年前くらい、アジア大陸の一部から別れていったと考えられる浦富海岸の花崗岩(かこうがん)(↓左)。
マグマが地下深くで固まった深成岩です。
マグマが地下のやや深いところで早く固まると、半深成岩の石英斑岩(せきえいはんがん)になります。
そして玄武洞や鎧の袖の柱状節理(ちゅうじょうせつり)が見える流紋岩(りゅうもんがん)からは、日本海が広がったとき、地下では火山活動が起こったことがわかるのです。
何しろ、ここの展示には手作りの温かさがある。
博士の物置に迷い込んだような(ちょっと失礼?)、書いた人の知識と思い出が残るメモ、飾るというよりも散りばめられた岩たち。
美しいるり貝や貝細工も子供たちが遊んだ跡がうかがえます。
場所が書かれた袋から想像する、収集家が歩いてこられただろう、道のりやその日のお天気。
人柄がにじみ出るような石のメモには子どもでも読めるよう、フリ仮名と解説付きよ
お仕事なのか、趣味で集められたものなのかわかりませんが、過去の地形や環境背景を思いながら歩く石集めは、とてもムフフで幸せな時間のように私には思えます。
しかも驚いたのは「やさしくさわってね」と書かれてる。
こういった陳列で「触ってもいい」、と言われる機会って実はあんまりないのよね。
美術館も博物館も絵に描いたモチ。
クリアケースやロープで見えない線を引かれて、自然とそこには見せる側と見る者との間にボーダーラインが感じられる。
隔てられた透明の線があるから、その先はなぜか高尚で、どこか異世界で、どこか他人行儀。
別世界なのでなんとなーく頭に入ってこない。
でもここは違った。
触っていいよと言われる。どうぞ触ってと渡される。
大事に大事に手のひらに乗せると、石は呼吸をしてるようで、ずっしりした石は確固たる冷たさだし、軽い石は私の体温にすぐ寄り添って温かさを帯びるしなんだか石が生きているような錯覚もします。
深い深い石の世界。
環境の変化や地殻変動で山陰海岸は複雑な地形と変貌する中で、うねり、猛り、割れ、せり上がり・・・
そうした大地の叫びが長い長い年月を経て、私たちに投げかけてくるものは何なのでしょう。
地震が起こるたび、やっぱり考えずにはいられません。
私は苔とかシダとか石とかが好きなおかしな人なのでここにならず~っといても飽きないよ(笑)。
深い意味もなく(たぶんガイドクラブに用事があった?)連れてきてくれたらくだ先生は半ばあきれ気味(笑)で、
「なんだかよくわからないけど、そんなに楽しんでもらえたなら連れてきて良かったのかなぁ?」とちょっと引き気味??
・・・すいません、変人で(爆)。
ただ、岩美ガイドクラブさんのHPはちょっと情報が地味! もったいないです。
ここのいいところが全然のっかってませんよ、副代表~!!
実際行ってみなければわからないことが旅にはたくさんありますね。

出会いに感謝しながら。
らくだくん先生の引率で、今度こそ鳥取砂丘のパラグライダー体験へ向かいます
交流館の前には、たまたま停まっていたきれいなラッピングバス!
岩美町大字牧谷690-20
0857-73-0118
9:00~18:00(月曜休館日)
岩美ガイドクラブ
鳥取県岩美郡岩美町浦富783-8
岩美町観光会館内
0857-72-3481

